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「王家と李家」

2011-10-27 14:30:46     cri    

 「ああ。丹頂鶴なら見たよ。おいらが捕まえようとすると、なんと一匹の豹が出てきておいらの腕に傷を負わせ丹頂鶴を銜えてあっちの方に行ってしまったよ」

 「ええ?豹?!ほんとか」と狩人たちは目を輝かした。

 「うそじゃない。ほら、おいらは腕に怪我したんだから」

 これを聞いた狩人たちは阿小が指差したその方へと馬を走らせていってしまった。そこで阿小は立ち上がろうとしたが、足が痛み立てない。実は地面に落ちたときひどく挫いてしまったのだ。

 「うわあ、いてて!どうしよう」と阿小が顔をしかめてしゃがんでいると、さっき助けた丹頂鶴が飛んできて娘の姿にかわった。

 「あ、君は」

 「さっきはありがとう。お兄さん怪我してるのね。お兄さんは私の命の恩人よ。私の父は蓬莱島の丹頂鶴の王なの。私はその七人目の娘。今朝早く、遊びに出かけたところを、かの狩人たちに狙われたのよ。もしお兄さんが助けてくれなきゃ、私は死んでるわ。怪我はひどいのね。こうしましょう。なんとか蓬莱島までいって怪我を治し、養生しなさい」

 これに阿小は喜び、ついでに自分がここに来たわけを話した。すると娘はいう。

 「それはわけないわ。屋敷に蓬莱米の種があるから。あなたが私の命の恩人だと知った父はきっとあなたの願いを受けいれてくれるわ」

 こうして阿小は娘の助けの下に何とか蓬莱島に行くと、娘の父はわけを知り、阿小を手厚くもてなし、また、蓬莱米の種をくれた。そして阿小が養生しているうちに、娘の父は阿小という若者が気に入ったし、また娘は阿小を慕っていることに気づき、なんと娘を嫁にくれた。

 やがて傷が治った阿小は娘をつれて台湾に戻ったので蓬莱米は台湾に伝わるようになったというわけ。

 え?阿小夫婦、それはもちろん、仲良く幸せに暮らしたワイ。

 そろそろ時間です。来週またお会いいたしましょう。


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