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「王家と李家」

2011-10-27 14:30:46     cri    

 こうして阿小は広い海の上を飛んでいると、やがて大きな島が見えた。そこで急ごうと思っていると下の方で虫を取っているのか一群れのツバメが飛び交っていた。阿小はその群れに近づき聞く。

 「ツバメさんたち。蓬莱島はここから近いのかえ?」

 「蓬莱島?遠いよ。まだまだだよ」

 そこで阿小はツバメの群れを離れて飛んでいくと、雁の群れに出会った。

 「雁さんら。蓬莱島はどこだい?」

 「蓬莱島なら、まだまださ」

 これに阿小はうなずき、またも飛び続ける。やがて雲雀の群れが見えた。

 「雲雀さん、ここから蓬莱島までは遠いのかい?」

 「ああ。蓬莱島なら、あの陸地の上をとび、山を二つ超え、大きな川を超えて海に出ると、雲に包まれた島があるよ。それが蓬莱島だよ」

 これに喜んだ阿小はまたも、ありがとうといい、こんどは力いっぱい飛び進んだ。こうして山を超えていると下の方から人の声と馬のいななきが聞こえる。すると一羽の鷹が必死な表情でこちらに飛んだきた。

 「鷹さん。そんなに慌てていったいどうしたんだい?」

 「ああ、丹頂鶴か。いや、数人の狩人がわしら飛んでいる鷹を射落とそうとしたんだ。かわいそうに何羽かの仲間はやられてしまってな。わしは逃げるのが速かったのでこうして助かった。丹頂鶴よ。ほかのところにいきな。前へ行けば危ないぞ」

 これに阿小はわかったと言い残し、前へと飛んでいくと地上で馬に乗った数人の狩人が、自分の近くを飛んでいる一羽の丹頂鶴めがけて矢を放っていた。これは助けなきゃあと思った阿小は、急いでその丹頂鶴のところに飛び、「速く逃げろ」と言い、自分はわざと低く飛んで狩人たちをおびき寄せた。そこでその丹頂鶴はあわてて遠くへ飛んでいった。しかし、阿小には一本の矢が翼に当たったのでひどい痛みを感じて飛べなくなり、下の森の中に落ちていった。こうして地面に落ちた阿小は人間の姿に戻ったので、痛みをこらえて左腕に刺さった矢を抜きとり、袖を破って傷口を縛り、草むらに隠れていると、先ほどの狩人たちが馬に乗ってきた。そして阿小を見つけたので、矢に刺された丹頂鶴を見なかったかと聞く。

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