今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。
今日のこの時間は、中国茶「ロンジン」にまつわるお話と少数民族ホーチョ族に伝わる「天の川の守り神」というお話をご紹介しましょう。
最初は。中国茶「ロンジン」にまつわる「汚い石臼」です。いわれによりますと、あるところに古い井戸があり、中からかつて竜の形をした石が出てきたというので、この井戸を竜の井戸と言う意味の「ロンジン」と名づけ、この井戸がある村もその名に変わったということです。つまり「ロンジン」とは「竜井」の二文字の中国語読みです。ではまいりましょう。
「汚い石臼」
むかし、ロンジン村は小さな荒れ果てたところで、山のくぼみにあり、わずか十幾つの家があるだけであった。
この村のはずれにぼろいかやぶき屋根の家があり、ここには一人暮らしのばあさんがいて、体があまりよくないので山を下りることもできず、畑は耕せないので、ただ、家の近くにある十八本のお茶の木の面倒をみて、少し取れるお茶の葉を隣近所に町の市に売りにいって貰い、わずかな稼ぎで何とか暮らしていた。
ばあさんは人がよく、いつも茶を沸かし、表の通りのまえに簡単な日よけを立てて、その下に卓をおき、通りががりの旅人などに、ただでお茶を飲ませていた。
と、ある年の大晦日の前の日、珍しいことにここでは大雪が降ったが、隣近所は年越しのためにいろいろと支度をしていた。しかし、ばあさんは貧しいので家の米びつには少しの米しかなく、他に残ったものといえば少しのお茶の葉だけであった。そこでばあさんはいつもの通り、朝起きてからお茶を沸かしていると、不意に戸を叩く音がする。
「え?誰だい?こんな日に朝早くから?」
とさっそく戸を開けると、頭や背に雪をかぶった旅人が立っていた。
「ごめんください」
「あれまあ!旅の人、こんな雪の中をどうしたんだべ?早く中へ入って温まりなさいよ」
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