会員登録

「剣の道」

2010-05-25 14:25:36     cri    























autostart="true"
















src="mms://media.chinabroadcast.cn/japanese/20070515xihua-1.wma">BR>



type="video/x-ms-wmv"











width="300"

height="44">

 童子傑は剣術に長けており、その剣は化け物をも殺せるという、しかし、それを信じる人は少なかった。

 ある年の夏、童子傑は剣を背に山東に修行に向った。途中、一人の商人と道ずれとなったので、童子傑は、自分の剣のことをほめ始め、「私のこの剣は、大勢の敵を一度の切る伏せることはできないが、化け物なら一刀の下に切り倒せますのでねえ」という。

 これを聞いた商人、その剣にかなりの興味を持ち始め、考え始めた。というのは。もう少しでつく済南の町外れに大きな空き家があり、それがお化け屋敷だとうわさされているのだ。そこで、商人は、童子傑という人物とその剣術を試したくなり、そのときはこのことは口に出さずに黙っていた。そして午後に済南に入ると、童子傑と同じ宿に泊まった。夕食時に童子傑が酒を飲んで飯を食い終わったのを見た商人は童子傑の寝る部屋に行って言い出した。

 「旦那、日が暮れたというのに暑いね」

 「そうだな」

 「どうです。私はこの町の涼しいところを知ってますから、そこへ出かけようじゃありませんか」

 「すずしいところ?」

 「ええ、涼しくて面白いですよ」  

 「ふーん!じゃあ、宿にいてもつまらんから、行ってみるか!」

 「へい。でも旦那の大事な剣を忘れないように」

 「うん?剣を持っていくのか?」

 「へえ。面白いことがあるかもしれませんよ?」

 これを聞いて童子傑はいくらか首を傾げたが、自分は剣術使いなので、あまり気にせず、黙って剣を背負い商人と出かけた。

 やがてその涼しいところに来たが、そこは屋敷だったので童子傑は商人を見た。商人は知らん顔して屋敷に入っていく。そこで自分も入っていった。

 「あれ?おかしいですね。こんなに大きな屋敷なのに、門番も下男もないみたいですね」

 「そうだな・・」

 「旦那。この庭で待っていてください。私はこの屋敷のものを探してきますよ」

 商人は、童子傑が答えないうちに、玄関の外へ飛び出し、意地悪そうな笑い顔浮かべて、懐からもってきた鍵を取り出し、玄関の外からそれをかけ、どこかへ行ってしまった。

 こちら童子傑だが、かの商人を待っていたものの、なかなか戻ってこないので、玄関のところに行ってみるとなんど外から鍵がかかっていた。

 「ふん!つまらんやつめ!私を試そうというのだな!まあいい。暇だし、この屋敷にどんな化け物が出るのかこの目で確かめてやるわい」

 と、童子傑は気を取り直し、応接間らしい部屋に入ると、明かりをつけて部屋を見回したが、怪しいところはなさそう。それに夜には酒を飲んだこともあり、いくらか眠くなってきたので、この部屋の椅子を幾つか並べ、きれいに拭いたあと、明かりを消して横になり寝てしまった。

 さて、しばらくして庭のほうでカタカタと音がするので、童子傑は目を覚まし、剣を抜いて窓を開けて庭を見た。すると、月の明かりの下、一尺あまりの丸々太ったものがぐるぐる回っていたので、童子傑はばかばかしく思い、「こら!静かにいたさんか!」と怒鳴った。すると、その丸々と太ったものは不意に姿を消し、松明がともったかと思うと、背の高い大男が戸を蹴り開けて応接間にどかどかと入ってきた。そのとき、消してあった明かりが急についたので、童子傑はその男を見てびっくり。それは黄色い顔をしたどんぐり目の化け物で、全身に緑色の毛が生えている。

 これには童子傑ぎょっとした。だが、足が震えるのを我慢して剣を抜き、一応は構えた。すると化け物がケケケッと笑い出し、その声が大きいので、部屋が揺れだし、天井から土のかけらがぼろぼろと落ちてくる。

 「ふん!お前の剣では鶏しか殺せん!なんだと?化け物なら一刀の下に切り倒せるだと!!」

 これをきいた童子傑は、驚きのあまりに剣を落としてしまった。このとき、庭から七何から動く気配がした。これを耳にしたのか、かの化け物はふと姿を消したので、童子傑が剣を拾うのも忘れて突っ立っていた。すると庭では明かりを手にした十数人の女子が現れ、その真ん中からきちんとした身なりの中年の婦人が静かに部屋に入ってきて、応接間の真ん中にある席に座った。

 これを見た童子傑は、慌てて跪き一礼した。すると婦人が言う。

 「お前はなんですか?人の屋敷に黙って入り込み、この応接間で寝てしまったりして」

 「こ、こ、これはどうも失礼したしました」

 「あまり勝手なまねをするから、先ほどの化け物たちがお前を脅したのですよ」

 「ど、ど、どうも。お許しください。私は恐ろしさのあまり、剣を落としてしまいました」

 「ふふん。お前はまだ正直者ですね」

1 2
関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS