京劇の中には「生、旦、浄、丑」という四つの役柄があります。最初は「生、旦、浄、末、丑」という五つの役柄がありましたが、長い時が経って、「末」という役柄が「生」と「丑」に吸収されたため、四つの役柄が残ったということです。また、その四つの中でも、役柄の年齢や性格によってそれぞれに分かれています。例えば、「生」の中には老人を演じる「老生」や若い人を演じる「小生」、専門に立ち回りを演じる「武生」や中国の三国名将「関羽」を演じる「紅生」があります。更に、「武生」の中には「西遊記」の「孫悟空」を演じる「猿劇」という役柄もあります。
「西遊記」は世界的に有名な物語で、「孫悟空」も世界中に知られて、人気があります。京劇の舞台上の「孫悟空」は役者の身振りや特有の隈取によって、生き生きとした「孫悟空」を観客の前に現します。
「孫悟空」の隈取をするときの順序は大事です。まず白いドーランで目や鼻の位置を定めて猿のような頬の輪郭をとり、ピンク色ドーランで頬と額の部分を塗ってから、京劇専用の粉でこれまでのメーキャップが落ちないように顔全体を作ります。
それから、頬と額に黒い模様を描いて、目と眉と鼻も描きます。そして、紅色と金色のドーランで他の部分を塗ってから完成します。
この悪戯好きで可愛い「猿」は京劇の舞台で全ての観客の目を奪っています。(楊思嘉)
(写真の中の役者は北京京劇院二団の武生ーー(セン ライ)です。)
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