初夏を迎えた河北省の懐来県で、第2回中国・河北省海棠祭りという花をテーマにしたイベントが行われました。懐来県は、北京から60キロしか離れていません。北は北京郊外の官庁ダムを背にして南は燕山山脈に繋がっています。ここは独特な気候で、豊かな土壌が広がり、海棠の生息にぴったりです。ここは、海棠栽培の歴史が600年近くもあり、栽培面積が全国一で、海棠の古里と呼ばれています。
海棠は、ばら科りんご属の植物で、世界には35種類あります。そのうち、中国には25種類あり、華南地域を除き、全国に分布しています。海棠の実は赤く栄養分が豊富で、いろいろなビタミンやリン、鉄、カルシウムなどが含まれています。特に海棠酸は人間の体によく、血圧や血糖値を下げる効果があります。懐来県小南辛堡鎮の韓志明書記は、ここの海棠畑を次のように紹介しました。
「今、海棠の栽培面積は600ヘクタールで、中国最大です。海棠の実の生産量は全国の6割以上を占めています。このうち、八角海棠という品種は当地特有の種類で、生産量は全国の8割以上となります。これほど大きな海棠畑は全国ではここ1箇所しかありません。毎年、海棠の花が咲くと、花の海となります。秋になると、実が枝から垂れて、非常にきれいです。この中の大きな木では、1000キロの実が採れます」
八角海棠は、昔から「花の神様」と呼ばれています。皇族や貴族の庭で、玉蘭、牡丹、金木犀などと一緒に植えられ、人々に愛されてきました。
4月の末、海棠の花が咲き始め、5月の中旬になると花が落ち、実がなります。海棠の花びらは白にピンクを帯びて、まるで少女の顔のようです。海棠畑に入って、あたりに漂っている香りを嗅ぐことができます。ここで花見をしている観光客の話を聞きました。
「海棠の実を食べたことはありますが、今回初めて海棠の花を見ました。そしてこの大きな海棠畑です。花の中にいると、体が軽くなり空を飛んでいるような気がします。ここの写真をいっぱい撮って、家族や友人に見せます」
毎年、大体立夏の頃、海棠の花が咲き、ピンクの花の芯が出て、その色が次第に白くなります。この時期が見ごろです。
懐来県小南辛堡鎮は昔から海棠を栽培してきました。現在、ここの海棠の木の平均樹齢は60年で、古いもので百年のものもあります。木の直径は1メートルぐらいです。この海棠畑は、面積600ヘクタール、海棠のほか、りんご、葡萄、棗も植えられ、4月下旬からここはまるで花の絨毯のようになります。毎年、海棠の花が咲くと、観光客が殺到します。北京からの観光客の王さんは、感想を述べました。
「花がいっぱいありますね。丘に登って、この海棠畑と隣のダムの景色を眺めると、非常に気持ちがいいです。ここは、草原、砂漠などのさまざまな地形があり、観光資源も豊富で来たかいがありました」
お昼になると、観光客は、海棠の木の下で、持ってきたお弁当を食べます。あるいは、現地の農家が経営するレストランでは、現地で取れた米、野菜、魚などが食べられます。観光客の尤さんは、農家のレストランで食事をした感想を語ってくれました。
「都会に住んでいますが、今日はここで海棠の花を見て、農家のご飯を食べて、気持ちもリフレッシュしてとてもいいですね」
観光客は、このほかにもダムで船に乗ったり、近くの砂漠でらくだに乗ったり、ドライブを楽しむことも出来ます。これは都会ではなかなか体験できないことです。
皆さん、時間があれば、是非初夏の河北省の懐来県を訪れ、海棠の花見をしてください。
最後は、海棠の利用方法を少しご紹介します。海棠は観賞用のほか、食用にもなります。実を乾燥させお湯に入れて飲んだり、新鮮な実は絞ってジュースにしたり、果実酒、ジャムなどを作ることができます。そのほか、日差しをあさえぎるために、庭や公園などにも植えられています。(担当:任春生)
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