中国西南部の貴州省には、全長50キロにわたるホトトギスの花を楽しめる観光地があります。ここは、種類が最も多く、樹齢が最も古くて、生息面積が最も広い自然のままのホトトギス生息地です。毎年、3月から5月にかけて山中のホトトギスが咲き乱れ、世界中の花がまるで全部ここにあるような感じがします。また、この周辺には少数民族イ族が住んでいるため、自然の風景のほかに、少数民族の風習なども体験できます。
ホトトギス観光地は、貴州省の西北部、卒節という地域にあります。面積は125.8平方キロメートルです。これまでの調査では、ここには41種類のホトトギスがあります。世界に分布する品種のほとんどがここで見られます。色とりどり、形もそれぞれで、世界各地の観光客をひきつけています。ここの最も貴重な品種は、一つの木に違う種類の花が咲くというものです。最高では、7種類の花が同時に咲くということです。これら野生のホトトギスは、場所によっては一本だけ、また数本、数十本が密集することもあります。この観光地に入ると、まるでホトトギスの海に漂うような感じがします。
福建省からの観光客、郭碧艶さんは、ホトトギスについてこう語りました。
「この観光地のホトトギスはすべて天然のもので、しかも50キロほど続いていますね。雲南省で人工栽培のホトトギスを見たことがありますが、やはりここのホトトギスの方が素晴らしいですね。昨日は、黄果樹という有名な滝を見て、今日は、ホトトギスが見られたので、最高ですね」
なぜ世界でこれほど大きなホトトギスの観光地がここしかないのか。現地のガイド張さんは、その理由を教えてくれました。理由は2つあります。まず、気候です。ここは冬があまり寒くなく、夏も暑くありません。海抜が高く、緯度が低い。温帯季節風気候で湿気も多い。これはホトトギスの生息に一番ふさわしい環境です。第2は、イ族が住んでいるところは必ずホトトギスがあります。ホトトギスはイ族にとっては神聖なる花です。2番目の理由はとても神秘な色彩に包まれていますが、ここでは、多くの観光スポットがイ族となんらかのかかわりがあります。例えば、酔九牛、酔っ払う9頭の牛というスポットがあります。ここのホトトギスの中には、木で作られた牛、9頭があります。明の時代、貴州省が牛9頭を皇帝に差し上げます。牛はここにやってきてホトトギスの美しい姿を見て足を止めたまま、なかなか前に歩かなくなりました。この物語を聞いた現地の住民は、ここを酔九牛と名づけました。
現地のイ族の風習も国内外の観光客を魅了しています。ここ最近、世界各国からの若い留学生およそ100人がこの観光地にやってきました。昼、花を見て、夜は篝火を囲んでイ族のダンスを踊ります。イタリアからの留学生デニアルさんがその楽しさを語ってくれました。
「以前は、ホトトギスという花のことはあまり知らなかったんです。今回この花が好きになりました。山一面にあるホトトギスを見て、感動しました。世界のほかの地域では多分この光景は見られないでしょう。ここの環境保全活動もきちんと行われて感心しました」
パナマからの留学生のカルペスさんは、この観光地について、感想を語ってくれました。
「ここのホトトギスは素晴らしいです。中国にはこのような自然資源がまだいっぱいあります。政府も効果的な措置を取り、ちゃんと保護していますね」
ネパールからの留学生、ドロバさんは中国語でホトトギスへの愛を語ってくれました。
「ネパールの国の花は、ホトトギスなので、ここにやってくると、ネパールにいるような感じがします。ここの人々は情熱的で、多くの人々と知り合いになりました。またここに来たいと思います」
花を楽しむほかに、イ族の美食を食べたり、イ族の舞踊を踊ったりすることもみんなの楽しみです。イ族が住んでいる地域では、遠くからやってきた友達に酒を勧めることは伝統の一つです。
ホトトギス観光地の近くでは、イ族の人がレストランを経営しています。店の味はそれぞれ違い、特徴があります。皆さん時間があれば、是非この50キロぐらい続くホトトギスの名所を訪れてください。そして、美食も是非召し上がってください。(担当:任春生)
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