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「賢いタチン」

2009-03-03 09:20:50     cri    

 こうしてゾバンの二人の子がロージの家に来たので、乳を飲まし、菓子を食べさせたあと、その夜に二人をかの親戚の家に連れて行き、代わりに二匹のサルを連れ帰った。

 その翌々日、ゾバンが息子を迎えにロージの家にいくと、なんとロージが暗い顔をして門のところにしゃがんでいた。これを見てゾバンがいう。

 「おい、ロージよ、いったいどうした?」

 これにロージ、この問いを待っていたかのように「ゾバン、実はすまないことになったよ」という。

 「え?なんだい?」

 「いや、言いにくいんだが」

 「何を水臭い。俺たちは幼なじみじゃないか。言えよ」

 「そうだな・・・実はお前の子がサルに変わってしまったんだよ」

 「冗談いうな。そんなことありえない」

 「本当だ!信じないなら見てろ」とロージはゾバンの上の息子の名を呼んだ。するとかの大きいほうのサルが出てきた。そこでロージが「お前の父さんに酒を注げ」というとそのサルは徳利を持ってゾバンの杯に酒を注いだ。これにゾバンがびっくりしていると、ロージは、今度はゾバンの下の息子の名を呼び、小さいほうのサルが出てくると、とんぼがえりをうつよう言ったので、そのサルはその場でとんぼがえりをうった。

 これにゾバンはあいた口がふさがらない。そしてその場に伏して泣き始めた。これを見ていたロージがいう。

 「ゾバン、もう泣くな。実はお前の子は親戚の家にいるよ」

 「え?いったいどういうことだ?」

 「お前を騙したのにはわけがある。お前も同じように俺を騙しただろう」

 これにゾバンは泣くのをやめ、顔を真っ赤にしてうつむき、「ロージ、すまなかった。変な気を起こしてお前を騙したりして。これからはそんなことはしない。信じてくれ、頼む!」

 これを見てロージはニコッと笑い、「俺たちはこれからも親友だ」といった。そしてゾバンは家からかの銀を持ってくると半分ロージに渡し、改めて謝った。

 その後、ロージとゾバンは仲良く末永く付き合っていったわい。

 そろそろ時間のようです。来週またお会いいたしましょう。


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