こうしてゾバンの二人の子がロージの家に来たので、乳を飲まし、菓子を食べさせたあと、その夜に二人をかの親戚の家に連れて行き、代わりに二匹のサルを連れ帰った。
その翌々日、ゾバンが息子を迎えにロージの家にいくと、なんとロージが暗い顔をして門のところにしゃがんでいた。これを見てゾバンがいう。
「おい、ロージよ、いったいどうした?」
これにロージ、この問いを待っていたかのように「ゾバン、実はすまないことになったよ」という。
「え?なんだい?」
「いや、言いにくいんだが」
「何を水臭い。俺たちは幼なじみじゃないか。言えよ」
「そうだな・・・実はお前の子がサルに変わってしまったんだよ」
「冗談いうな。そんなことありえない」
「本当だ!信じないなら見てろ」とロージはゾバンの上の息子の名を呼んだ。するとかの大きいほうのサルが出てきた。そこでロージが「お前の父さんに酒を注げ」というとそのサルは徳利を持ってゾバンの杯に酒を注いだ。これにゾバンがびっくりしていると、ロージは、今度はゾバンの下の息子の名を呼び、小さいほうのサルが出てくると、とんぼがえりをうつよう言ったので、そのサルはその場でとんぼがえりをうった。
これにゾバンはあいた口がふさがらない。そしてその場に伏して泣き始めた。これを見ていたロージがいう。
「ゾバン、もう泣くな。実はお前の子は親戚の家にいるよ」
「え?いったいどういうことだ?」
「お前を騙したのにはわけがある。お前も同じように俺を騙しただろう」
これにゾバンは泣くのをやめ、顔を真っ赤にしてうつむき、「ロージ、すまなかった。変な気を起こしてお前を騙したりして。これからはそんなことはしない。信じてくれ、頼む!」
これを見てロージはニコッと笑い、「俺たちはこれからも親友だ」といった。そしてゾバンは家からかの銀を持ってくると半分ロージに渡し、改めて謝った。
その後、ロージとゾバンは仲良く末永く付き合っていったわい。
そろそろ時間のようです。来週またお会いいたしましょう。
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