中国・雲南省西北部、標高2400メートルの高みにある古都・麗江は少数民族・納西族が13世紀以来発展させてきた街です。本瓦葺きの家々一千以上が軒を連ねる旧市街には、石畳の道が縦横に走り、水路が網の目のように張り巡らされ、その独特の景観が1997年に世界遺産に登録されています。
麗江古城は、少数民族ナシ(納西)族の王都として宋代の終わりごろから元代初期の13世紀後半に建設されました。古城には、中国の一般的な古城にある城壁に囲まれていないのが大きな特徴です。旧市街(四方街)には「三房一白壁」の四合院であるナシ族独自の民家が1000戸以上も軒を連ね、縦横に伸びる石畳の道と網の目のような水路によって仕切られ、自然景観と調和した美しい街並みを形づくっています。
「四方街」は以前の都の中心で、かつて交易の中心地でした。今でもそれぞれ違う方向へ向かう道が四方八方に伸びています。
この古城に800年も代々住んできたナシ族は、チベット系の少数民族で、漢族や他の少数民族・ペー(白)族やイ族、リス族などの文化も取り入れ、独自の文化をつくりあげています。特に、麗江市中の至る所で見る事の出来るトンパ文字は世界で唯一、現在も使用されているとされる象形文字で、主に祭りの時に使用されるものです。また、ナシ族の音楽は、唐、宋時代の宮廷音楽を今に伝えているとして注目を集めています。
雲南の茶とチベットの馬を取引する交易ルート「茶馬古道」の要衝にあり、幾多もの勢力に挟まれた地にありながら麗江はさしたる戦乱にも遭わず800年もの間、栄え続けてきました。
独特な民族文化と歴史、中国の他の古城では見られない特異な街並み、古代の伝統が息づく文化財など、世界の貴重な共有文化遺産として高い評価を受けています。
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