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「王冠の真珠」

2009-02-11 15:23:03     cri    

 今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。

 この時間は、昔の本「太平広記」から「王冠の真珠」と「小川から釣れたもの」というお話をご紹介いたしましょう。

 ではまず「王冠の真珠」から。

 「王冠の真珠」

 





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 咸陽にある岳寺には北周の武帝の王冠が置いてあり、この王冠には大きな真珠がはめてあったが、その真の価値を知るものは少なく、この寺のお坊さんが一年に一度、王冠をだして簡単に手入れするだけであった。

 のちの則天武后の時代に地方のある役人が貸した金を取り戻すため揚州に向かう途中、この寺に立ち寄り、前から耳にしていたこの王冠を見せてもらった。そして役人は王冠にはめてあるその大きなすばらしい真珠を何とか手に入れたくなったのものの、わざと「ふーん、これがねえ」とだけいい、あとは知らん顔をしてほかのところを見ていた。そのとき住職は、急に何かを思い出したのか、王冠をそのままにして出て行ったので、役人はかの大きな真珠を王冠からなんとかはずし、小さな袋にそれを入れ、何食わぬ顔して外にいた住職に声をかけ急いで寺を離れようとした。が、そのときに若い坊さんが住職からだとある数珠をもってきたので、これはばれたと思った役人、袋をすばやく門の下の隙間に差込んだ。そしてその数珠をもらい礼をいい、翌日にでも袋を取りに来ればいいと考えてから、若いお坊さんが見送る中を寺を離れた。

 さて、翌日は急用ができたので役人は、隠した袋はあとにしようと揚州に向かった。こうしてその夜は揚州の宿に泊まり、翌日に急用を何とか済まして貸した金も返してもらい、宿に戻って次の日は咸陽の岳寺に袋を取りに行こうと思い、夕餉を済まし横になったが、隣の部屋で数人の胡人、つまり遠い北方に住む人たちの博打の声がやかましく寝られない。そこで起きて隣にいき、胡人たちの遊びを見ていた。と、そのとき胡人たちは博打をやりながらこんな話をした。

 それは北周時代の宝物である大きな真珠がどこかに隠されていて、それを手に入れたものは大金持ちになれるだけではなく、一国の主にもなれるという。そしてその真珠は王冠に嵌められているという。

 これに役人、しばらくためらっていたが、あまりにも興奮していたのか、その胡人たちに、かの岳寺にあった真珠のことを話してみた。

 これを聞いた胡人たちは、かなり興奮し、五十いくつの胡人がいう。

 「そ、それですよ。それがかの宝物ですよ。実は私どもは大金もってきましてね。その宝物を何とか買って持ち帰ろうと思ってるんです」

 「そうでござるか。しかし、わしはそれを岳寺においてきてしまったし・・」

 「どうです?私たちが、えーっと銀一千両で買いますから、明日にでもそれを取りに行ってください」

 「え?銀一千両?」

 「うそはいいません。ほら」とその胡人は持ってきた箱を開けて銀を見せた。これに役人は喜び、翌日取りに行くことにした。

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