「四季の歌」が歌うように、「冬を愛する人は心広き人、根雪をとかす大地のような僕の母親」。<チャイナライフ>、今日は<北京暮らし>スペシャルとして、北京で冬を楽しむコツをいくつかご紹介します。
羊のしゃぶしゃぶ、北京人はもちろん、地方から出てきた中国人や観光客にとっても北京の冬の楽しみの一つです。日本では、羊といえばオーストラリアやニュージランドが有名ですが、統計では飼育頭数は中国がダントツで世界一。ぐらぐらと煮え立つ火鍋に羊肉をそれこそしゃぶしゃぶとくぐらせ、タレをつけて食べます。ゴマをベースにしたものですが、湯にさっとくぐらせた羊肉の水気を三度ほど振って落とし、タレをちょっとつけて食べるのが一般的な食べ方とされています。タレをつけ過ぎるとせっかくの肉の味が消えてしまいますから。また、たっぷりと肉を食べてから野菜を火鍋に加えます。先に野菜を入れると、そちらで腹がふくれます。シャブシャブはそもそも肉を食べる料理ですから、野菜は後回しになり、野菜を入れるということは、そろそろおしまいという意味です。
日本では羊肉のしゃぶしゃぶはあまり、ポピュラーではありません。北海道を除いては羊肉を食べる習慣も、最近までありません。北海道で、羊肉の料理と言えば、まず、ジンギスカンです。鉄パンで羊肉と、野菜を焼いて食べるものです。
北京ならではのシャブシャブ、美味しいコツ!
① 銅製の火鍋を使う。火鍋は真ん中に煙突状の筒があり、煙突の中に真っ赤に燃えた炭を入れ、周りに湯を入れます。鍋は銅のものと七宝のものがありますが、銅のものが最良とされています。
② 羊肉は内蒙古で飼育される黒羊の9カ月から1歳半までの子羊のみを使います。一部の老舗では、肩肉などシャブシャブに手ごろな肉だけを使い、1頭の羊の30%しか使わないということです。
これから冬北京に来る観光客のためにも、老舗とか、評判の良い店。
①一番の老舗「東来順」。創始者の丁徳山氏は河北省出身のイスラム教徒で、1903年、王府井に近い東安市場に、雑面やそば粉などで作った蒸し餅を売る露店を出しました。商売は日に日に繁盛し、少しずつ規模を大きくしておかゆなども販売するようになったが、1941年からシャブシャブを売るようになり、北京で一番伝統のあるシャブシャブの老舗となりました。いま全国でチェーン店があります。
②庶民的な味、「小肥羊」。日本にも進出し、チェーン店を設けました。やはり銅製の火鍋を使い、羊肉の新鮮さと手ごろな値段で人気を呼んでいます。また、シャブシャブの秘伝とされるタレは真空包装の持ち帰り商品としても販売されています。それを買えば、自宅でも気軽にシャブシャブを作れるから、庶民にとって身近なシャブシャブとも言えます。
③アレンジされるシャブシャブ。「呷哺呷哺」台湾系のシャブシャブ。ブランド名に使われる漢字の「呷哺呷哺」も日本語の「シャブシャブ」の発音の当て字です。あっさりして、ファストフード式のシャブシャブ。日本人にとっては食べやすいかもしれません。
そのほか、「海底捞」もここ数年人気を呼んでいます。おしゃれなレストランとメニュー、伝統的なシャブシャブに拘らず、いろんな野菜や食材をシャブシャブにするし、タレも自分の好みによって自分でDIYできるから、若者に大人気。最後は「マカオ豆捞」、マカオや香港風のシャブシャブ、タレはマカオ料理に近いし、シャブシャブの食材に蝦やたこなどの海鮮類が多いのが特徴。
伝統の味から、お手軽な味、更に伝統にこだわらない味まで、裾野が広いのはしゃぶしゃぶが中国の人たちに愛されている証拠ですね!(つづく 11月15日オンエア「イキイキ中国」より)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |