去年11月17日、中国衛生省の次官を努める全国臓器移植主任委員である黄潔夫さんは、衛生省を代表して、無錫市での中国肺臓移植データ管理センターの設立が許可されたことを無錫市関係者に知らせました。今から10年前の2002年、中国では初めての肺臓移植手術が無錫市人民病院で行われ成功を収めました。この年から無錫市は肺臓移植において、全国の先端を行き、また今日に至ってもいくつかのアジア記録を保持しています。

　十年間の努力を経て、無錫市人民病院肺臓移植センターが、中国肺臓移植の主な病院となり、医療や教育、研究などの分野で中国肺臓移植事業の発展を推進しています。

　無錫市人民病院胸部外科の陳静瑜主任は、「手術を受けた患者は8年間以上生きている人がいます。患者の年齢は14歳から75歳までとなっています。このうち、心臓が疲弊する16歳の患者は肺臓の移植手術を受けた後、水深3メートルの海底までに潜ることができます」と述べました。

　人々の命を救うと共に、無錫市は肺臓の移植についての研究にも力を入れています。中国は臓器移植分野への参入を厳しく管理しており、今までに国家クラスの臓器移植データ管理センターは四つしか設けていません。

　黄潔夫さんは、「この四つの臓器移植データ管理センターのうち、肝臓の移植センターは香港に、腎臓の移植センターは北京の301病院に、心臓の移植センターは北京阜外病院にそれぞれ設置されています。これらの病院はいずれも世界における有名な病院です。これで、この肺臓移植センターがどれほどのレベルを持つかは、わかるでしょう」と述べました

　臓器移植と言えば、臓器の提供にも関心が寄せられています。無錫市人民病院は、脳死や心臓死で亡くなった人の臓器提供をうける病院に指定されています。そのため、無錫市人民病院肺臓移植センターは国際的なルールに基づき、肺臓移植に関する研究を展開しています。

　肺臓移植データ管理センターは、肺臓の移植に関する全国の基準や規範を定める職責を担当しています。自らの経験を全国に広めるために、無錫市政府も様々な政策を打ち出し、自らの第12次5ヵ年計画にも組み入れました。

　無錫市病院管理センターの陳衛平主任は「関連事業の推進を第12次5ヵ年計画に組み入れました。肺臓の移植を臓器移植事業の原動力として、その人材の育成や経費の投入などに力を入れていきます」と述べました。