湖北省麻城市塩田河鎮に、一人の映画技師がいます。彼はこれまでの40数年来、山奥の村々で年間400作あまりの映画を上映し、科学知識や文化、娯楽などを34の村にとどけ、地元住民4万人を楽しませてきました。
今日は塩田河鎮の映画技師・丁頌揚についてご紹介します。
麻城市の塩田河鎮は山間地帯にあります。2010年、中国の伝統的な祝日、つまり旧暦の正月・春節を迎えるにあたり、「新春映画月間」というイベントが旧暦の12月18日から大晦日まで行われました。この間、丁頌揚は1日も休まず働きました。
年明けの旧暦1月8日は、雨が降っていましたが、丁頌揚は予定通り、海抜860メートルにある村に映画の上映に向かいました。途中、機材を乗せた三輪車は滑り、側溝に落ちてしまいました。道行く人に助けてもらいましたが、彼は手や足に怪我をしてしまいました。それでも、丁頌揚は待っている人のためにこの日の任務をやり遂げました。
丁頌揚は、上映用の機材などをとても大切にしています。上映に出かける前に、彼はいつも、三輪車の荷台に自宅の布団を敷き、これで上映用の機材を包みます。坂道では、三輪車を降りてゆっくり押して行きます。
丁頌揚は「しっかりと機材を梱包した後、荷台にロープでくくります。これで、バランスを崩したり、雨にあっても怖くありません」と述べました。
1976年から2010年まで、丁頌揚は映画の色々な時代を見てきました。70年代、月給は30元で、彼は上映機材を肩に担いで運び、各村を回りました。80年代、映画が注目され人気の娯楽となりました。この時も彼は作品の質を守り、今までと変わらず映画を上映しました。90年代から2000年代にかけて、映画は低迷期に入り、多くの人が仕事を変えましたが、丁頌揚は自らの仕事を中断することなく続けました。
丁頌揚は「転職のチャンスはたくさんありました。例えば、村長や文化劇団、食品生産工場などの幹部。すべて断りました。私はこの映画技師の仕事を、続けていきたいのです」と述べました。
より多くの村民が豊かに暮らせるように、丁頌揚は娯楽映画を上映しながら、科学技術ドキュメンタリーも上映しています。
国の農村デジタル映画プロジェクトが実施されることになり、丁頌揚はこの仕事を続ける決心が固まりました。彼の努力が農村に映画の花を咲かせ、山奥の村に文化の火を灯しているのです。
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