中国語には「世上没有免費的午餐(世の中に無料の昼食はない)」という言い方がありますが、最近中国では、「無料の昼食」はホットな話題となりました。というのは、最近中国で話題になっているチャリティ活動で、貧困地区の中小学生に無料の昼食を寄付するイベントなのです。
半年前、中国では500人余りのジャーナリストが中国社会福祉教育基金と共に、「無料の昼食」というチャリティ・イベントを行ないました。これは貧困地区の中小学生に一食3元の昼食を寄付する活動です。これを受けて、全国範囲で「無料の昼食」キャンペーンが実施されました。
確かにいまの中国では、衣食は基本的に保障されていますけど、一部の貧困地区では、成長期の子供たちに営養のある食事を食べさせることは、まだまだほど遠い状態です。両親は出稼ぎのために故郷を離れ、都市部へ行っていますから、農村部に残された子供たちはちゃんとした食事も出来ないそうです。(農村部の留守児童の話題、この間の番組にも取り上げました)。
さらに、一部の農村地区では、学校は家から遠いため、通学に何時間もかかる子供がいます。家が貧しくて、昼食を食べないという子どもさえいますよ。小学校や中学校の生徒はちょうど成長期にありますから、昼食を食べないなんて、栄養不足になる恐れもありますよ。体に悪いですよね。
中国発展研究基金はこのほど、中国貧困地区の学生の栄養情報に関するアンケート調査を行いました。それによりますと、中国の中部と西部地区では、児童の栄養摂取が非常に不足しているという結果が明らかになりました。アンケート調査を受けた農村部の1400人の子どものうち、12%は発育が遅れており、72%は授業中に空腹感を感じているということです。さらに、男子生徒と女子生徒の体重は全国の平均レベルより、それぞれ10キロと7キロ少ないし、身長もそれぞれ11センチと9センチ短いということです。
調査団は甘粛省のある県で調査を行なった結果、現地の小中学校の生徒の一日当たりの食料品の支出は平均で2.3元だそうです。すると、一年で832元が必要になります。しかし、現地農民の1人当たりの年収は1368元で、子供の食費はその6割も占めることになります。親が子供の食事を削っているのではなく、これぐらいしかできないということなんです。
大人なら、何とか我慢できますが、子供の成長を考えると、やっぱりこのままではいけませんね。ですから、民間のチャリティとして、「無料の昼食」というイベントが誕生したんですね。でも、民間の力にも限界がありますから、政府からも何か支援がほしいところですね。
すると、10月26日、温家宝首相は国務院常務会議を召集し、農村部の義務教育段階にある子どもに対する栄養改善の計画を提出しました。それによりますと、中央財政は毎年160億元を拠出して、農村部で義務教育を受けている子どもに、1人当たり毎日3元の食事手当てを提供することが決まりました。全国680の県や市、およそ2600万人の生徒がその恩恵を受けることになります。民間から政府へ、チャリティの効果がいっそう拡大するといいですね。(「イキイキ中国」より)
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