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中国のWEBマーケティングを担う日本の若手ビジネスマン

2011-02-02 14:15:59     cri    

 中国におけるインターネットユーザー数は、2010年6月時点で4.2億人。これはもちろん世界1位です。この世界1のユーザーに向けて、どのようなビジネスを展開していくのか。日本の若手ビジネスマンが、中国のWEBマーケティングについて熱く語りました。

 最近、北京で開催された「中国WEBマーケティングセミナー」。

 3人の日本人ビジネスマンが、中国のインターネット状況、検索対策、中国人観光客向けの日本からのWEBマーケティング、中国のEC市場への取り組み方などについてレクチャーし、午前、午後3回、合計100人ほどの来場者は、熱心にセミナーを聞いていました。

 「中国では、ネットユーザーの89%は、商品を買う前にインターネットで情報収集を行い、そのうち、半分以上(57%)が検索を使って調べている。だから、検索対策が非常に重要だ。」

北京OPTインフォメーションテクノロジーの古田さん 

 最初の講師の古田さん(北京OPTインフォメーションテクノロジー)は、そこから中国でのネット検索対策について話し始めました。

 「日本企業は、社名や商品名で検索しても、結果に自社名や商品が上位表示されていないケースが多い。日本のヤフーやグーグルと中国のバイドゥとでは検索結果の表示方法が異なるからだ。バイドゥの場合、検索結果のリストの上に表示されるのは広告なので、SEO(Search Engine Optimation)以外に、リスティング広告対策も必要になる。」

 SEOとは特定の検索キーワードに対して、検索結果の上位に表示させるための施策であり、リスティング広告とは、特定の検索ワードに対して表示されるテキスト広告です。古田さんは、この2つを組み合わせた、SEM(Search Engine Marketing検索エンジン・マーケティング)を提唱し、「欧米企業と比べると、日系企業はまだSEMでは遅れている。SEMをもっとしっかり活用すれば、インターネット上の効果を大きく改善できる」と指摘しました。

百度の日本法人バイドゥの高橋さん

 中国の検索サイトでは、百度(Baidu.com)が76%のシェアを占めています。その百度の日本法人バイドゥの高橋さんは、百度を活用した、日本からのマーケティングについて、活用事例を紹介しました。

 「2010年中国からの旅行者への日本の入国ビザ条件が緩和され、対象都市が、北京、上海、広州など全国7都市に拡大された。そこで、百度の検索傾向を見てみると、例えば、"日本旅遊"(中国語の"日本観光")という検索は、北京、上海は多いのに、広州は少ない。おそらく、広州からの旅行者は団体志向で、自分で情報を検索することが少ないと思われる。そこで、自由旅行のマーケティングをするなら、広州よりも北京・上海に重点を置くという方針が出てくる。」

 また、「例えば、中国語で"服を買う"という意味の動詞入りの"买衣服"という言葉で検索した場合、百度では16,500件出てくるが、Googleでは3,600件しか出てこない。これは検索語に対する中国と外国との考え方の違いだ。さらに、"日本奶粉"と"日本 奶粉"というスペースの有無が、前者は1,054、後者は191という大きな違いになってくる。こうした検索エンジンの特性に合わせた、検索対策が必要だ」との話も興味深いものでした。

 中国のインターネット利用で、現在大きく伸びているのはEC(ネットショッピング)関連です(年率80%の増加)。その中国EC市場の中でも76%のシェアを持つのがタオバオです。最近、そのタオバオについて初めて日本語で紹介する本を出した山本達郎さん(北京ログラス広告)は、タオバオでの成功例を通じて、中国でのビジネスについて紹介してくれました。

 「2009年にタオバオに出店した日本のアパレルメーカーは、出店後11日間で410万元(約5億円)、2009年10月には1000万元(約1億3000万円)の売り上げがあった。特に、リアル店舗のない地方からの買い物が多く(2/3が地方からのオーダー)、この場合は、ブランディングに成功したことが大きな理由だろう。」

北京ログラス広告の山本社長

 その他、タオバオのチャット機能を活用するためのスタッフを増強したり、配送体制を整備するなどサービスの徹底を図った企業、また最初の計画から出店まで3ヶ月で実現し、プロモーションも次々と打ち出すなど、決断力とスピードで成功している企業、そして、個人の成功例としては、2008年に日本人が始めた日本製粉ミルク販売ショップでは、実店舗と組み合わせて信用を得たり、徹底したチャット対応などによって成功し、今や月商100万元(約1300万円)以上に成長した例などを紹介した上で、最後に、日系企業へのアドバイスとして、山本さんは「1つは現地に合わせて物事を考えること。タオバオで成功した企業がほとんど現地ユーザーの目線に合わせて、サービスを徹底したり、配送期間を短くしたりして成功している。もう1つは、合わせていけない部分。日本なりのサービスの高さとか、日本のビジネスの進め方とか、そういう部分をしっかり守って、譲らないことが大切だ」と言ってくれました。

 速いスピードで発展している中国のネット市場で、日系企業に元気を注ぐべく、いろいろ努力している日本の若手ビジネスマン。彼らの夢が実現するよう祈りましょう。(取材:大野 陳博)

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