中国文化のシンボルと言えば、まず何を思い出しますか。最近、中国国家社会科学基金傘下の「文化ソフトパワー発展戦略研究グループ」がこのほど、『大学生の中国文化に対するイメージ』をテーマとしたアンケート調査を行いました。それによると、中国大学生たちは。文化と言えば、まず、『漢語/漢字』を思い出すということです。『漢語』というのは、つまり『中国語』のことですね。中国文化と言えば、中国の言葉や文字を思い出します。

　今回のアンケート調査は全国18の省、直轄市、自治区で、2万人以上の大学生を対象に行われました。アンケート調査に参加してくれた大学生たちは、270項目の候補リストから、中国文化を最も代表できるトップ10のキーワードを選びました。

　そして、第2位は、『孔子』！孔子は中国春秋時代の有名な学者で、教育家でもあります。彼の提唱した儒家思想は今でも中国、並びに世界でかなりの影響力を持っています。また、中国では、孔子は『知識分子』、つまり知識人、インテリの始祖と呼ばれています。

　第3位は、『書法』、つまり書道です。書道はやっぱり漢字と関わりのあるものですね。しかも、韓国や日本にも伝わって、その歴史は長いです。でも、いまの若者たちはパソコンばかりを使っていて、書道どころか、字を書くことさえ苦手になっています。それでは、第4位は『万里の長城』。万里の長城は、ロゴやマークもデザインされたりして、中国のシンボルとして定着しています。

　第5位は『五星紅旗』、中国の国旗です。赤地に四つの小さい黄色い星は真ん中にある大きい黄色い星を囲んでいる模様です。話をちょっとずらしますが、真ん中にひとまわり大きい黄色いの星は何のシンボルなのか知っていますか。中国共産党です。四つの小さい星は新中国が成立した当時の4つの階級、つまり、工人階級、農民階級、小資産階級、民族資産階級を象徴しています。それから、当時、中国の人口は4億だったんですが、4つの小さい星は全国人民が中国共産党の指導の下で大団結するという意味を表しているんです。しっかり思想を国旗に表現されてますね。

　第6位は『漢方医薬』。今日本でも大人気で、健康から発展して美容にまで及んでいます。漢方医薬には、漢方薬だけではなくて、漢方マッサージや鍼灸などもありますね。つい最近、中国の鍼灸（しんきゅう）はユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。

　第７位は、ある人物です。『毛沢東』！歴史的背景というより、毛沢東のイラストが先に思い浮かびますね。こんなにデザインされて、いろんなところでお眼にかかれる人物は他にいないんじゃないでしょうか。

　第８位は、『故宮』です。明や清の皇帝のお住い『紫禁城』のことですね。足を踏み入れると、ほんと自分もタイムスリップしたような気分になります。近代的建築に囲まれた異次元空間のようです。

　第9位もある人物で、『鄧小平』、経済改革の父ですね。

　Top10の最後となりますが、第10位は秦の始皇帝の『兵馬俑』です。『兵馬俑』は世界でも例を見ない、様々な特徴をもった遺跡ですね。高校の時、世界史の資料集で初めて見たときは驚きました。

　中国文化のほか、今回のアンケート調査では、中国大学生が外国文化へのイメージ調査も行いました。その結果、最も外国文化を代表できるキーワードのランキングには、『シェークスピア』は第1位、『ピラミッド』は第2位、そして、『聖書』の『バイブル』、アメリカのリンカーン前大統領、映画の町・『ハリウッド』、ギリシャ神話』、『仏教』、『オリンピック』、『ハーバード大学』などがTop10にランクインしました。

　グローバル化しつつある現在、東西文化の交流がいっそう緊密化になっていますね。カルチャーショックからの良い刺激を受けながら、お互いに学びあい、人類の文化がいっそう盛んになるでしょう。（「イキイキ中国」より）