南アフリカで開かれているFIFAワールドカップの中継画面では、「中国・英利」と漢字でかかれた広告ボードが一際、人目を引きます。80年の歴史があるW杯で初めて協賛した中国企業となりました。「中国・英利」は全部で64試合に登場し、90分の試合中、毎回、会場で8分間コマーシャルを流すそうです。
「英利グループ」は、河北省保定市にあるソーラー製品のメーカーです。FIFA2010年大会への協賛は三回の協議を経て、2009年2月に調印しました。FIFA大会にとって、初めての中国協賛企業であると同時に、ニューエネルギー企業からの協賛も今回が初めてのことです。
W杯の開幕と共に、検索エンジンでの「中国英利」への注目度が425%上がり、また、同社のニューヨーク証券取引所での株価も上昇傾向にあるということです。
中国英利の苗連生会長によりますと、南アフリカワールド・カップの協賛社として、「英利」社はメイン会場であるヨハネスブルグの「サッカー・シティ・スタジアム」でW杯史上初のゼロエミッション展示エリアを設置したほか、今大会の練習場20ヶ所にソーラーパネルを提供しました。
会場周辺に立てた漢字と英文の"YINGLI SOLAR"の広告ボードのほか、「英利」は入場券、会場での宣伝及びメディア版権の世界市場でのマーケティングの権利も持っているほか、サッカーファンの休憩エリアにおける製品展示の権利も獲得しています。
なお、「Sinaスポーツ」の報道によりますと、中国英利の劉躍誠副総裁は今回のW杯協賛の理由を「将来のソーラーパネル市場の開拓において、アフリカ、ブラジル、アメリカ、アジアはいずれも重点エリアなので、このような目標設定はちょうどW杯がカバーする地域とぴったり合っている」と語りました。
さらに、中国英利の苗連生会長は、「英利はエネルギー問題の解決とクリーンエネルギーの世界への提供のため、太陽光発電技術の研究に弛まぬ努力をしている。このことは、『地球環境を変え、麗しい未来を作り出す』というFIFAの使命ともぴったり合っている」と話しました。
一方、関係筋によりますと、英利はW杯の協賛には1.4億元~2.1億元を投入したということです。一方、金融危機や為替レートの影響を受け、2009年度、英利の売り上げが減少し、4.6億元の赤字が出ています。
W杯への巨額な投資は果たして期待通りの効果を得られるのでしょうか。これに対し、英利社広報部の責任者は、「電話やメールでの取り合わせが急増し、ビジネス環境がよくなっている。また、名前を慕って会社を訪れた内外のメディアも急増している。これまでのところ、得たものは支払ったものより大きい」と語っています。(Yan)
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