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浦東、ただ20年で驚くべき変貌ぶり

2010-05-13 16:21:45     cri    

 上海万博が始まって10日間が過ぎ、皆さんは、テレビなどで上海万博の会場の様子をある程度ご覧になっていると思います。でも、そのあたりは20年前、どんなところだったのでしょう。一緒に探ってみたいと思います。

 皆さんもご存知だと思いますが、上海の中心部には、1本の川が流れています。黄浦江といいます。この川は南北に流れていますが、上海市はこの川に区切られて、東側は浦東、西側は浦西と呼ばれています。

 もっと分かりやすくご説明すると、上海といったら、西洋風の銀行などの建物が立ち並ぶ上海バンドがおなじみのところかもしれませんが、その上海バンドがある側が浦西、向かい側、上海のテレビタワーとたくさんの高層ビルが建っているのが浦東です。

 今回の上海万博では、浦西、浦東の両方とも会場が設けられていますが、浦東のほうが、わりと展示施設が多くて、とくに各国のパビリオンが集まっています。

 浦東は、今は高層ビルが立ち並んでいて、近代的な街ですが、20年ほど前までは、ごく普通の農村でした。1990年4月、中国政府は改革開放をさらに進めるための一環として、上海の浦東を開発することを決めました。そのときから、浦東が変わってきました。浦東の広さは1210平方キロで、人口はおよそ400万人、いずれも上海市全体のおよそ5分の1になります。そこのGDP・国内総生産を見ると、開発が始まった1990年には約60億元でしたが、去年、2009年は4000億元(日本円でおよそ5兆円)を超えました。GDPの割合も市全体の約7%から25%以上にまで増えてきました。

 実は、浦東の変化を紹介するには、いまのデータより、直接見られるものがあります。さきほどご紹介した上海のテレビタワーと高層ビルがたくさん建っているあのへんは、陸家嘴というところですが、20年前と比べ、その変貌ぶりに驚いたと、陸家嘴の開発を担当する楊さんは話しています。

 「そのときの陸家嘴は何にもなかった、というか、まったく郊外という感じです。私たちの職場もとても粗末なところで、オフィスを出てちょっと歩くと畑です。無限に広がる畑でした。その畑に囲まれていて、私たちのオフィスを訪れる人にとって場所が分かりにくいので、一番近い道路に「浦東開発事務局、前方700メートル」と書いた看板を掲げることもありました」

 陸家嘴に立つ高層ビルの中に、上海はもちろん、中国でも1番高いといわれる上海ワールド・フィナンシャル・センターのビルが特に目立ちます。上海ヒルズとも呼ばれるこの建物ですが、日本の森ビルが中心に出資して建てられたものだそうです。高さ492メートル、世界でも3番目の高さを誇ります。陸家嘴には今、中国国内や海外の数百社の金融機関が進出しています。おかげで高層ビルがどんどん建てられ、まさに、ちょっとした高層ビルの森ができています。それによって、上海の、金融街としてのイメージもますます感じられています。

 20年前と比べ、驚くほどの変貌ぶりといわれる浦東ですが、今は、世界経済の流れを追って随時、調整し、進化しつづけています。浦東には、風力や太陽光発電に使う大型設備を製造する産業パークがあり、この産業パークでは、新エネルギーを開発するとともに、貨物の輸送やパークの運営、管理などにおいてIT化と環境保護に取り組んでいます。経営責任者の劉さんは「優れた産業パークになるためには、まず、省エネや環境保護を実現しなければならない」と語ってくれました。劉さんの話です。

 「ここ数年、低炭素経済という言葉が世界中で聞かれています。中国政府も、それを重視して、いろいろな取り組みをしています。その中で、私たち産業パークとしては、低炭素の産業パークを目指して、風力発電や原子力発電に使う設備を造っています。同時に、一つひとつの工場が、二酸化炭素の排出量を抑えるために厳しい指標を設定して作業をしているのです。小さな取り組みですが、国の低炭素経済の実現に、少しでも貢献できたらいいなと思っています」

 浦東の一番東には、水滴の形に掘られた湖があり、その湖を囲んで、1つの町がつくられています。海に面していて港が多くて、しかも新しくつくられた町であることから、臨港新城と名づけられています。上海の衛星都市という位置づけで、主に観光や文化産業を中心にしています。この臨港新城でも、低炭素という理念に基づいて、街づくりをしているということです。管理責任者の顧さんの話です。

 「私たちは、目標として、環境にやさしく、おしゃれで、しかも住みやすい街づくりを目指しています。とくに環境にやさしいことについてですが、建物をつくる中で省エネを大事にして、部屋の暖房や温水に地熱や太陽エネルギーを利用するとともに、断熱ガラス、つまり夏には暑い日差しを遮り、冬には室内の熱さを逃さないというような窓ガラスを使っています。また、建築の材料も、軽くて丈夫で、しかも保温効果の良いものが使われています。それとともに、下水道の水や雨水、ゴミの再生処理も行われています。要するに、この町は、環境についての人類の最先端の技術や考え方が実現しているのです」

 20年前までは農業の町だった浦東。今は、高層ビル群や産業パーク、そして最先端の環境技術を活かした衛星都市などが集まる近代的でダイナミックな地域になりました。今後は、地元住民の生活をもっと改善していくことが目標だそうです。浦東の中国共産党委員会の徐麟書記は、このように語っています。

 「これから、さらに開発を進めていく中で、住民を大事にするという考え方をもっと実現して行きたいと思います。経済の成長を推し進めながら、住民の生活をもっと良くして、社会の全面的な進歩を促していきます」(翻訳:鵬)

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