北京を訪れたことがない方にとって、北京のイメージはたぶん人民服と自転車しかなかったでしょう。でも実際に来てみると、きっとその大都会ぶりに驚くと思います。高層ビルやマンションの建設ラッシュ、洋服やコスメも日本と変わらないし、スターバックスやハーゲンダッツもあちこちにあります。そんな、すっかり都会な北京ですが、ニューヨークや東京やパリなどの国際都市と違う中国らしい、北京らしいモノやコトがいったい何なのでしょうか。北京暮らし、今日は庶民的な北京魅力にスポットを当てます。
まずは、北京の自由市場です。
「東」に「郊外」の「郊」と書く「東郊市場」は有名な卸売り市場です。地下鉄一号線の「大望路」駅の近く、川に沿って東西に横長い位置にあります。東側は、魚や肉などの生鮮食品や生活雑貨、お茶などを扱う市場で、西側は果物や野菜、花の市場です。
市場内では、自転車も車も走れます。道の両側に間口の狭い小さな売店がびっしりと並んで、衣類、携帯電話、瀬戸物、籐製品、掃除道具屋さんから、亀や金魚の屋台まで。置かれている品は多種多様、なんでも揃う、まさに「北京暮らしの殿堂」です。また、奥に進むと、「鮮魚館」、「調理器具館」「お茶館」といった専門の建物がぽこぽこと見られます。
このような自由市場で日常生活に関わるものをすべて買えます。しかも、値段はスーバーやデパートで買うより数倍安いです。自由市場をぶらぶら散策すると、あっという間に半日間が過ぎてしまいました。聞くところによりますと、北京市のインフラ整備によって、このような自由市場はいつか取り壊され、消えるかもしれません。古い北京の記憶をたくさん持っている北京の自由市場、チャンスのある方はぜひ一度訪れてみてください。北京らしい雰囲気を思う存分味わえますから。
北京の名物「焼き芋」
立秋が過ぎ、秋めいてきた北京。涼しい風が舞う道端に、素朴な服装を身に纏ったおじさんやおばさんが、ドラム缶の脇に立っている姿がちらほら見られます。ドラム缶の上には、大きなサツマイモがごろごろ。これは北京の名物「焼き芋屋さん」です。
リヤカーや軽トラックで売りに来る日本の焼き芋屋さんとは異なり、北京の焼き芋屋さんは自転車とドラム缶が商売道具です。ドラム缶の中でサツマイモを蒸し焼きにし、ドラム缶と連結させた自転車に乗って、持ち場まで移動すると、道端にじっと静かに立ってお客さんを待っています。ドラム缶の上に並ぶ、こんがり焼き色のついた焼き芋は、日本のものよりひとまわり大きいようです。
およそ2時間蒸し焼きにするという焼き芋は、2個で約1kg、12元(日本円の約140円)程度。コレとコレ、と芋を指差すと、おばちゃんが昔懐かしい天秤で重さを量ってくれます。そして、焼き芋を紙袋に入れて渡してくれます。
日本の友人から「焼き芋は女性のおやつ」と聞いたことがありますが、こちら北京では、焼き芋は老若男女、すべての人の大好物です。(つづく「イキイキ中国」より)
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