中国茶の資格と言うと、日本の茶道とイメージが重なりますが、中国茶の資格は中国の政府機関である「労働と社会保障部」が発行する、本来は茶芸館で働く方が取得するための職業資格です。
「茶芸師」とは、"お茶を美味しく淹れる資格"で、用意された茶葉を適切な茶器、適切な湯温、適切な淹れ方で美味しく入れる技術を学ぶ資格です。
このほど、北京では茶芸師の資格を持ち、お茶のプロデュースをしている日本人女性・今間ともこさんをインタビューしました。
今間さんは歌舞伎が好きだったことから、京劇に興味を持ち、1995年から1997年にかけて、中央戯劇学院に語学留学しました。中国語を学びながら、京劇を上演している劇場巡りをしているうちに、中国の文化そのものに興味を持ちました。そして、1099年から2002年まで、青年海外協力隊に所属し、日本語教師として遼寧省瀋陽市に派遣されました。それから2005年に青年海外協力隊の事務所コーディネーターとして、今度は北京の事務所に派遣されたんです。2008年9月に任期満了と共に一旦帰国しましたが、中国でまだまだ挑戦したい気持から、2008年11月に再度個人の身分で北京に戻ってきました。2005年の赴任の際に、茶芸師の資格を取れることを知り、仕事をしつつ週末に講座に通い、資格取得を始めました。
記者:茶芸にチャレンジするきっかけは何ですか。
今間:当時はお茶の仕事をしよう、という目的意識はまだなく、任期満了後、帰国した際に、仕事以外何もなかった北京赴任であったら寂しい、という思いから、北京赴任の記念に資格取得を思い立った、という程度でした。
記者:では、今間さんは「茶芸師」の職業をどのように理解していますか。
今間:実際には、「茶芸」という決められた型で淹れる、美しさを評価する面と、美味しく淹れるという実際的な面との、2つの方向性があると思います。茶道も茶芸もめざすところは同じですが、茶芸師資格のほうが、より技術評価が前面に出されているようです。さらに、「評茶師」という職業があり、用意されたいくつかの茶葉を、茶葉の量、茶器、湯温等全て同じ条件で淹れて、その茶葉のランクを評価する資格です。ワインのソムリエのようです。
記者:いま、今間さんのお仕事は、具体的にどのようなものですか。
今間:現在、仕事は2つあり、1つは茶葉のプロデュース販売です。中国で仕入れたお茶を中国で売っている、というと簡単なようですが、実際に市場に行くと、同じ名前の茶葉でも10前後の等級があり、味も外見も全く違っています。その中から、値段と味のつり合いを考えて、日本人が美味しいと思えるランクの茶葉を、適切な価格で提供してくれる問屋を探し出し、仕入れています。中国にいるから簡単にお茶が買えるかと思ったら、逆にありすぎて、いいも悪いもわからない。それから、量も問題ですよね。中国の一般のお茶屋さんでは、販売の最低量が50gとなっていますが、お土産として茶葉50gは多すぎる場合もあるため、更に小分けをし、そのままお土産としてお持ち帰り頂けるようなパッケージにして販売しています。このように、「日本人が買いたくなるお茶」という視点で茶葉やパッケージをセレクトしていることから、「プロデュース」という言葉を使っているからです。(つづく 取材:吉野 整理:エーリン【イキイキ中国】より)
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