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 専門家、歴史否定は日本の政治代価を大きくするだけ

2013-01-05 18:23:00     cri    

 日本の安倍晋三首相がこのほどメディアに対し、日本の植民地支配と侵略戦争を謝罪した「村山談話」に代わる談話の発表を検討する意向を述べ、外部から高い関心を集めています。中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は、「安倍氏の意思表示は国内の右翼勢力の訴えに応えたもので、外交的ジレンマに陥った日本により多くの政治的代価をもたらすだけだ」と指摘しました。

 「村山談話」は日本の無条件降伏から50年になる1995年8月15日に、当時の村山富市首相が発表したものです。その中で、日本が「戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たことに対し、「痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ち」を表明しました。この談話は中国、韓国など日本の侵略を受けた多くの国の肯定を受けています。安倍首相の村山談話見直し発言の5日前に、新任官房長官は「安倍内閣が村山談話を引き継ぐ」と述べたばかりです。これに対して、高洪氏は、「安倍新政権発足後、政治的慣例を踏襲して、官房長官は村山談話の引き継ぎを表明したものの、自民党内の大多数の保守派政治家の評価を得られなかった。自民党内の多くの国会議員は、靖国神社を参拝して、戦前の保守政治に戻ることを主張しており、歴史の車輪を後戻りさせたがっている。そうした流れに応えるため、安倍氏は日本の右派や右翼の社会基盤を満足させる政治的シグナルを出し続けている」と見ています。

 安倍氏が政権の座についた後、様々なシグナルを外部に出していますが、中には、相反するように見えるものも多くあります。高洪氏は、これは、安倍氏の外交のジレンマに対する二面的対処法だと見て、次のように分析しています。

 「一方では、隣国に特使を派遣し、仲直りして問題解決を図りたいシグナルを出しており、しかも、特使のいずれも隣国と良好な関係にあり、歴史認識が温和な人が選ばれている。しかし、もう一方では、安倍氏本人は内政面で、自分を支持してくれている社会的基盤と力に政治上の申し開きをする必要がある。安倍氏は両面的な策略で、目下日本が直面している外交のジレンマに立ち向かおうとしているが、この綱渡りがうまく行くかどうかが私は疑問視している」

 報道によりますと、安倍氏はメディアに対して、村山談話は戦後50周年に発表したものだが、いまはすでに新世紀に入ったと語って、村山談話をめぐる状況がすでに変わったとほのめかしました。それに対して、高洪氏は、「すでに新世紀に入った一回目の安倍内閣では、村山談話の引き継ぎを表明したが、現在、その姿勢を突然改めようとするのは、後戻りにしか見えず、結果的に、日本により高額な政治的代償をもたらすに過ぎない」と見ています。

 安倍氏の発言を受け、中国外務省の華春瑩報道官はこのほど、「『村山談話』は日本政府が過去の植民地支配と侵略について、被害を受けたアジア各国の人々に示した厳かな認識と承諾であり、各国に注目され、重視されている。日本が歴史を鑑として未来に目を向けるという精神にのっとり、問題を適切に処理することを期待する」と述べました。(Yan、志摩)

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