現地時間5日午前、上海協力機構加盟国首相第11回会議がキルギスの首都・ビシケクで開催されました。中国の温家宝首相は席上、上海協力機構発足後の実務協力の成果を総括すると共に、今年6月の北京サミットで合意した共通認識の実行と結び付けるかたちで、長期的で的確な協力の提案をしました。
温家宝首相は、「我々は、実務協力を深め、機構の全般的な実力と持続可能な発展能力を高めることこそ、危機と困難に対応する唯一の正しい道だと一致して考えている。そのために、各加盟国は適切な努力を重ねてきた」と語りました。
上海協力機構は発足して11年の間、健全で安定した勢いを保っており、欧州とアジア地域の地政学の中で重要な役割を果たす建設的な力となっています。
分析筋は、今後、上海協力機構は世界で最も発展が早く、最も活力がある地域組織の一つになると見ています。しかし、その一方で、国際的な地域情勢がより複雑になるにつれ、世界経済の下降リスクが高まっており、このことは、加盟国の安定と発展に新しい試練をもたらし、加盟国間の協力にもさらに高い要求を突き付けています。
この日の会議で各加盟国の首相は、これまで一年間の上海協力機構の各分野における協力の進展状況を全面的に総括し、現在直面している情勢を掘り下げて分析しました。また、北京サミットでの共通認識の実行と結び付け、今後の活動を計画し、組織的な実務協力を深め、加盟国経済の急速な成長を押し進め、自信を高め、凝集力を強め、外部リスクへの対応力を高めていくことで意見を交わしました。
温家宝首相はさらに、今後の協力に向けて、以下の7項目の提案を行いました。
① 今年6月に約束した、優遇ローンを含む100億ドルの融資の実行
② 域内向け経済技術協力基金設立の検討
③ 上海協力機構モバイル通信サービスの充実
④ 中国上海協力機構環境保護協力センターの設立
⑤ 加盟国の麻薬取締と災害救助協力に対する資金、設備、研修面のサポート
⑥ 食糧安全協力の積極的な実行
⑦ 中国―キルギス鉄道の建設加速
今回の会議はさらに、知的財産権保護の協力強化などの実務協力に関する覚書を締結しました。(Yan)
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