このほど日本は釣魚島問題で頻繁に動きを見せています。東京都の石原慎太郎知事は釣魚島の購入を宣言したのに続き、今月に入り東京都調査団を釣魚島に派遣し違法調査を行いました。これを受けて中国政府と国民は強く反発しています。これに対し専門家は「今回の動きは東京都の島購入の決意を表すもので、釣魚島問題は軍事手段を用いて解決するには至っていない」との見方を示しました。
日本の東京都調査団は2日に釣魚島周辺海域で10時間近くにわたる違法調査を行いました。これに対し中国現代国際関係研究院日本所の馬俊威副所長は、「東京都が島購入の準備を進めるために行ったもの」と見ています。また、馬副所長は「直接的な動機からすれば、東京都が島を購入するために、島の基本状況を確認している。結論として島は思っていたより大きく、自然が豊かで、観光基地として開発でき購入に値する場所だったということだ。いわゆる資産調査だ。また今回の動きを通して、事実上の支配権をアピールする狙いもあるが、主に東京都の購入の決意を表すものだ」と語りました。
東京都の違法調査について中国外務省の報道官は3日に、「日本側の釣魚島に対する一方的な行動の全ては不法で、無効なものだ。中国はこれに断固として反対する。釣魚島の『国有化』を通じて立場を強化しようとする日本の行為は無効だ」と述べました。これに対し馬副所長は、「釣魚島の主権争いについて、中国側は主権争いを棚上げし、共同開発する原則を提案してきた。日本側は一方的に釣魚島の制御権を主権に変えることはできない」とした上で、「釣魚島はもともと言い争いがあるところで、一方の単独的な地権のやり取り、或いは管轄範囲内の資産の移転は、当然ながら不法で無効だ。主権争いに関しても70年代初期に中日国交正常化の際に、「同じものを求め小さな違いを残す」という考えのもとで、双方はこの問題を棚上げすることで合意した。もし野田政権がこのような中日関係の事実を否定するのであれば、彼ら自身のいわゆる民主的な政治を否定することになる」と述べました。
また日本のメディアによりますと、日本政府は9月中旬に釣魚島の「国有化」を定める方針です。これに対し馬副所長は「釣魚島問題は中日間の矛盾だけではない。現在のところ、中国は外交手段を通して問題を解決することを考えている」とした上で、次のように述べました。
「これは外交問題で軍事手段を用いて解決するまでには至っていない。今は日本政府がこの問題を通して何をしたいのかを見極め、その後ろにある意図を知る必要がある。両国の外交はそれほど簡単なものではなく、多くの問題に関わっている。表面的に見れば中日間の矛盾だが、その後ろには他の矛盾がある。日本は極端に走ることはないと思う」
東北アジアの情勢を見れば、日本は中国、韓国、ロシアと同時に領土問題を抱えていますが、この中に存在するアメリカの要素も小さくありません。軍事を用いた解決方法に走った場合、最も損害が大きいのは日本でしょう。中日関係においては、今年は中日国交正常化40周年で、双方はこれを機に両国関係を推進するはずでしたが、日本側の釣魚島における挑発的な行動が、両国関係の正常な発展に影響を与え、民間交流の大きな妨げとなっています。今後このような状況が続けば、中日関係も回復が困難になり、アジア太平洋地域の不安定要素となることでしょう。 (劉叡、吉野)
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