ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィチ報道官は9日、モスクワで、「シリアでは、複雑で深刻な内部衝突が起きており、内戦に拡大する可能性があるが、ロシアはそうなることは希望しない」と述べました。

　ルカシェヴィチ報道官はこの日の記者会見で、「シリアで起きたのは、革命ではなく、内部の衝突だ。シリア危機はシリア内部の問題であり、シリア人が交渉を通じて解決すべきだ。ロシアは引き続き、シリア政府と反政府派が前提条件を付けずに幅広い対話を行うことを主張する」と述べました。

　一部の国が「シリア連絡グループ」の設立を準備していることについて、ルカシェヴィチ報道官は「ロシアは、外部からの力が衝突するどちらか一方に圧力を掛けることに反対する。このやり方は国際法から言えば、合法性を備えていない。アラブ連盟監視団を派遣することはシリア情勢を安定させる有力な要素の一つだ。ロシアは、アラブ監視団がシリアに戻り、監視員を大幅に増員することを主張する」と述べました。

　シリアでは2011年3月中旬に大規模な反政府抗議活動が発生した後、武力衝突が一貫して拡大して来ました。今月4日、国連安保理はシリア問題の決議案について表決を行いましたが、採択されませんでした。（董燕華、大野）国際・交流へ