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 中日ベテラン通訳、通訳者の役割とキャリアで交流会

2011-07-31 19:49:42     cri    


交流会

 日本語中国語通訳を目指す学習者向けの公開セミナー、「通訳者への道~日中通訳者が語る通訳事情」が30日、北京で開かれました。「日本語中国語通訳」に特化した公開セミナーの開催は初めてということです。

 「通訳者の役割とキャリア」をテーマに、会議通訳者・蔡院森さん、神戸松陰女子学院大学准教授・古川典代さん、通訳エージント経営者・万紅さんによる講演の後、会議通訳者・周慧良さん、北京外国語大学准教授の徐滔さんも登壇し、来場者の質問を交えたパネルディスカッションが行なわれました。

 3時間半に渡って開かれたこのセミナーは、通訳エージントの「北京大来創傑諮詢有限会社」が主催したもので、北京日本文化センターが会場を提供しました。北京や上海などから受講者130人が来場しました。

 講演の部では、ベテラン会議通訳者の蔡院森さんが、数多くの実例を交えて、現場対応のノウハウや経験を紹介しました。蔡さんは、同時通訳、逐次通訳、翻訳をそれぞれインスタントフード、ランチ定食、ディナーにたとえ、三者の違いと相互補完関係を面白く説明しました。さらに、「継続は力なり、ツキも実力のうち、日々新たなり」とのメッセージを寄せました。

 
会議通訳者・蔡院森さん(左)と神戸松陰女子学院大学准教授・古川典代さん(右)

 また、現在、北京に研究滞在中の古川さんは、日本における中国語通訳育成の最新トレーニング法や通訳業界の現況を紹介し、ハイレベル同時通訳者の不足、新人が育ちにくい、通訳養成講師の不足など、日本の中国語通訳業界の課題を指摘しました。

 北京大来代表の万紅さんは通訳エージェントの視点に立ち、「中国の通訳市場の現状と展望」と題したスピーチを行い、通訳市場の規範化、通訳レベルの向上に向け、クライアント、通訳者、エージェントの三者による協力関係の構築を訴えました。

 
真面目に講座を聞いている受講者たち

北京大来創傑諮詢有限会社代表の万紅さん

  受講者も「ベテラン通訳の経験談のみならず、中国、日本の双方の視点、そして、エージェントの考え方も知ることができ、たいへん充実した時間だった」と感想を話しました。 

 今年に入り、東日本大震災やリビア危機など一連の出来事で、中国では海外放送局の最新報道を同時通訳で中継する回数が目立って増え、これまで目立たなかった放送通訳や同時通訳の存在を知らせるようになったことも背景にあります。

 なお、万紅さんは今回のセミナーを無料で主催したことについては、「受講者の真剣さと熱気が伝わり、セミナー開催の意義を確信することができた。通訳業界の交流促進につながるこうしたイベントは、できれば毎年行なっていきたい」と満足した笑みを浮かべました。(取材:王小燕、陳博、トントン、撮影:徐国雄)国際・交流へ


交流会の会場に設けられた同時通訳ブース

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