15日に調印された『上海協力機構10周年アスタナ宣言』は、この機構の今後の方向性を示しています。「上海協力機構は東方のEUでも東方のNATOでもない。他の地域組織のまねをせず、新たな多角的協力モデルを作り上げていく」ということです。
上海協力機構は発足以来、協力して安全を確保し、平和的に発展を促すと言う特別な使命を担っています。
発足から10年、上海協力機構は、独特な魅力と影響力を見せ付けています。この背景の下、上海協力機構はハイレベルかつ幅広い協力路線を切り開かなければなりません。今回のアスタナ・サミットで、上海協力機構のこの特徴は、より明確なものになりました。
新たな協力モデルとは、地域内と地域外を両立させること。そして、実務的かつ開放的なパターンを進めることです。地域内では、上海協力機構は、協力目標として地域の安定と経済発展など基本的な問題を解決していく予定です。『上海協力機構10周年アスタナ宣言』は、安全保障、経済、文化分野での協力を次の目標と任務としています。また、こう言った優先分野での協力を加速することも明記しています。一方、地域外では、上海協力機構は、国際社会の民主化の推進者となることや国際情勢、地域問題、特に、アフガニスタン問題と西アジア北アフリカ問題での立場を明らかにしています。また、上海協力機構は武力行使への反対や国連の権限の支持を通して、地域の平和を守る上で重要なポジションを占めています。特に、近年、国際社会と地域の多くの問題で合意に達しました。これは、この機構の求心力と自信を見せ付けました。
また、『アスタナ宣言』は国際情勢と地域情勢にも注目しています。上海協力機構は、今後、国際情勢と地域情勢の変化に立ち向かうことが非常に重要だと強く意識しているからです。今後、上海協力機構は複雑な変化に積極的に取り組み、さまざまな脅威に対応していく用意もあります。上海協力機構が注目している安全保障問題は、従来の安全保障問題をはるかに超えて、経済、環境、社会など各分野に関わっています。『アスタナ宣言』は「上海協力機構は今後も安全と経済協力を多角的協力の重点とすると共に、国民生活の改善における協力も強化していく。これは、国民の望みに合うもので、協力の基礎もより充実したものになる」と強調しています。
上海協力機構は、中国が考案し、中国の都市で命名、それに、事務局を中国に設置した唯一の地域的協力機構で、中国はこの中で重要な役割を果たしています。アスタナ・サミット開催後、中国が次の持ち回り議長国となったため、この機構は新たなチャンスを迎えることになります。まず、「善隣友好」は重要な内容として盛り込まれることになります。アスタナ・サミットは2011年から2012年の間を「善隣友好年」と定めています。これは、加盟国間が連携を強める重要なきっかけになります。次は、経済協力も重要視されることになります。これは、各加盟国の国民生活と福祉に関わる重要な問題です。第3に、上海協力機構はアジア太平洋地域の特色をよりアピールすることもできます。『アスタナ宣言』に書かれたように、上海協力機構はアジア太平洋地域の安全と協力体制の形成を促進することができます。この機構は、今後国際舞台でますます重要な存在感を持つようになるでしょう。(翻訳:ミン・イヒョウ)
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