中国では、室内の公共の場所での全面禁煙が、この5月1日から実施されています。世界で最も多い喫煙人口を抱える中国では、このように法的な形で禁煙を定めることで、より効果的な喫煙の抑制を図ろうとしています。
中国衛生省により新たに修正された「公共場所衛生管理条例実施細則」によりますと、室内の公共の場所および交通機関内は全面禁煙となります。そして、人々がこれを守るよう、先日来、公の場所の人目につきやすい場所に、禁煙マークや標識などをたくさん貼るようにしています。また、禁煙に関する宣伝活動も盛んに行われています。市民の声です。
「2歳の子供の母です。周りにタバコを吸う人がいると本当に困ります。公共の場所での禁煙には大賛成です。吸いたいときは外に出て吸えばいいんです」
「うちのレストランでは、喫煙エリアを無くし、5月1日から全面禁煙になりました。喫煙する人がいれば、止めるように注意しています」
「私自身は喫煙者ですが、公の場での禁煙には賛成です。人に迷惑を掛けますし、自分がマナーが悪いと思われます」
中国は世界最大のタバコ生産国、消費国であり、被害国でもあります。喫煙人口は3億5000万人、受動喫煙者は5億4000万人、喫煙に関係のある病気で毎年100万人が亡くなっています。
「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」によりますと、中国は、締約後5年経った今年1月9日から、全ての公の場所および交通機関で全面禁煙を実施しなくてはいけませんでしたが、予定通りに実施できませんでした。しかし、病院や学校など一部の場所での禁煙は、以前からすでに行われています。
5月からの全面禁煙について、健康発展研究センターの呉宜群副主任は次のように話しています。
「室内で全ての喫煙エリアを無くすということは、タバコを吸うなら外へどうぞということになる。実施が難しかったレストランやホテルも含まれているので嬉しい」
なお、条例でいう公共の場所とは、ホテル、レストラン、バー、映画館、ゲームセンター、公園、博物館のほか、バスなどの交通機関など28種の場所が対象とされていますが、職場は含まれていません。また、違反者に対する処罰も具体的に示されていないため、今後、喫煙に関する法律を一層整備していく必要があると指摘されています。
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