エジプトでは1月25日から大規模な反政府デモが行われています。エジプトのスレイマン副大統領が11日、国営テレビを通じて、ムバラク大統領がすでに辞任し、その権力を軍部に引き渡したと明らかにしました。これに対し、国連やEU、それに世界各国は積極的に評価し、エジプトの治安回復を期待していると示しています。

　国連のパン・ギムン事務総長は11日、ニューヨーク本部で、ムバラク大統領の辞任は歴史的な瞬間である」とし、エジプト政府が透明で、平和的にかつ円滑に権力の移行を実現すると同時に、自由、公正な手段で国民が信頼できる大統領選挙を行い、一日も早く新政権を樹立するよう呼びかけ、更にエジプト臨時政権が関係各側を集めて今後のロードマップを共同で策定することを期待すると語りました。

　ヘルマン・ファン・ロンパウ欧州理事会常任議長、バローゾ欧州委員会委員長、キャサリン・アシュトン欧州連合（EU）外務・安全保障政策上級代表らは11日、共同声明を発表し、「デモ参加者との交渉を行なって初めて、多くの国民に支持される新政権の早期樹立ができる。EUはあらゆる方法でエジプトを支援していく」と強調しました。

　アメリカのオバマ大統領は、エジプト軍が「信頼できる権力委譲」を保障すべきであるとし、「アメリカ政府は引き続きエジプトの友とパートナーとして、援助を提供する」と述べました。

　フランスのサルコジ大統領も11日、「ムバラク大統領の辞任はエジプトにとって歴史的な瞬間である」とし、エジプトが民主的な選挙を行い、民主政権を樹立するよう呼びかけました。フランス大統領府は声明を発表し、「エジプト政府が措置を講じて、自由かつ公開な選挙を行い､民主的政治機構を樹立することを期待している」と話しました。ドイツのメルケル首相も、エジプト臨時政権が円滑に権力委譲を実現し、最終的に自由な選挙を行うことを期待すると語りました。

中国外務省の馬朝旭報道官も12日の記者会見で、「中国はエジプト政局の動向に関心を寄せ、新たな情勢の展開がエジプトの安定と治安の回復に役立つことを期待している」と話しました。（翻訳：KH）

国際・交流へ