中国商務省の姚堅報道官は17日、北京で行われた記者会見で、「主要輸出市場でのニーズの縮小及び輸入の伸びにより、今年の中国の貿易黒字は去年同様、大幅に下落していくだろう」との見方を示しました。
中国の主要輸出先の国々では金融危機の影響で、ニーズが低迷していることから、2009年、中国の貿易黒字は前年より34%減少しました。つまり、2008年の2980億ドルから2009年の1961億ドルにまで落ち込みました。
一方、輸入の伸び率は輸出の2倍になっているため、これにより通年の輸出入がバランスが取れたものとなりました。姚堅報道官は「中国の貿易黒字は今年も引き続き大幅な下落となるだろう」と見ています。
なお、2010年1月から4月までの貿易黒字は、昨年同期の752億ドルから8割減って、161億ドルとなりました。
今後の輸出入のトレンドについて、姚堅報道官は「今年1月から4月まで、対ASEAN、ロシア、インド、オーストラリアなどの新興輸出市場向けの輸出は勢い良く伸びており、全般的にいうと、その伸び幅はEU、アメリカ、日本など先進国向けの輸出を上回っている。今後しばらくの間に、先進諸国の景気回復の緩慢さは中国の輸出情勢の好転に直接、影を落とすことになるだろう」と話しました。
EUは中国最大の輸出市場で、中国輸出総額の16%を占めています。今年に入ってから、ユーロに対する人民元の為替レートはすでに14.5%上がりました。これは、国内輸出企業の輸出コストがさらに増大することとなっています。
これについて、姚堅報道官は「欧州の債務危機が欧州全体の景気回復に影響を及ぼし、ユーロ圏の安定が脅かされている。このことは中国の輸出の伸びにとって不利である」とし、「欧州の債務危機の今後の成り行きを見守り、タイムリーに対外貿易政策を見直していく」と強調しました。
姚堅報道官はさらに、中国の経済発展における内需刺激策の重要性を強調して、「内需刺激の短期政策の常態化に向け、内需を伸ばす長期政策の構築をしている最中だ。このような政策的な枠組みの下で、今後数年、内需は経済発展により大きな貢献を果たすことが期待できる。輸入の伸びは内需の発展の成果の現われでもある」と語りました。(翻訳:Yan、Kokusei)
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