コロンビアを訪問している習近平国家副主席は現地時間の16日、ボゴタで開かれた中国・コロンビア企業家朝食会に出席し、談話を発表しました。習副主席はその際、「金融危機への対応で、国際社会は発展途上国を支援すべきだ」と強調しました。
去年、アメリカから始まった金融危機は世界中に広がり、世界経済が減速する中、中国経済も影響を受け成長のスピードが落ちています。習近平副主席は、中国とコロンビアの企業家による朝食会で、まず、中国経済の今の状況について、「去年、中国では大きな自然災害が相次いで発生し、それに加えて世界的な金融危機の影響もあって、景気減速の圧力が大きくなった。輸出が落ち込み、企業の経営や財政の運営、雇用、社会保障などの状況が深刻化している」と説明しています。
これに対応するため、中国政府は、内需の拡大と経済成長の推進に重点を置いてマクロ調整を行い、積極的な財政とゆとりのある通貨政策で、住宅や医療、インフラ整備、被災地の復旧など10の措置を実施しています。そのために、政府は、2010年末までに合わせて4兆元(日本円でおよそ54兆円)の資金を拠出することになります。これらの措置は、人々に中国経済の安定成長に対する信頼と世界経済に対する明るい見通しを与えています。習近平副主席は、中国経済の基本状況は変わっていないと述べ、さらに「中国は、内需拡大や産業構造の調整を行う中で経済の速く安定した発展を維持することに自信を持っている。それと同時に、世界経済の安定維持に貢献していきたい」と話しています。
金融危機の対応で、中国政府は国内の状況に合わせて対策を取っていますが、それよりも、国際社会との協力に力を入れています。中国の指導者は、これまで様々な外交の場で、中国は、責任を持って国内経済の安定成長を確保するとともに世界経済の安定を維持していくと表明しています。また、国際金融機関が市場の変化に対応して融資を拡大し、発展途上国への支援強化を支持するという立場を示しています。これについて習近平副主席は、「国際社会は、発展途上国が受けている被害に関心を寄せ、それをできるだけ減らすべきだ。また、発展途上国の金融安定と経済成長を支援し、国連のミレニアム開発目標を確実に実行し、国際金融機関での発展途上国の地位を高め、発言権を強めるべきだ」と述べています。
習近平副主席によりますと、中国は発展途上国への支援として今年1月、中南米・カリブ海諸国の経済・社会発展を促進するために設立された米州開発銀行(IDB)に加盟し、この地域の金融危機対策に3億5000万ドルの資金を投入したということです。(鵬、大澤)
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