イギリスのエリザベス女王2世は25日、テレビを通じてクリスマス演説を発表し、当面の金融危機と経済不況がイギリスの一般家庭に与える影響に関心を寄せました。このめでたい祝日に、女王の演説は、イギリスの経済状況が楽観できないことを指摘しました。また、イギリス国家統計局の最新報告によりますと、イギリスの経済はすでに後退の泥沼に陥ったことが分かりました。
イギリスの女王は毎年クリスマスの挨拶をしますが、今までと違って、今年の演説では、女王は最初にイギリス経済の不振を強調して、困難に立ち向かい、美しい未来のために努力していくよう国民に呼びかけました。
イギリス国家統計局の報告によりますと、イギリスの第三四半期の国内総生産は第二四半期より0.6%減り、経済学者が予測した0.5%を上回り、1990年来の最大の下げ幅となっています。それと同時に、イギリスの不動産市場も低迷しつつあります。11月の住宅ローンの申請許可数は1万7700件あまりで、史上最低を記録したということです。また、イギリス公認積算士協会は、来年、イギリスの不動産が引き続き10%下がる可能性があり、失業率も上昇していくと推測しました。また、イギリス国家統計局のデータは「現在、イギリスでは186万人が失業し、失業率は6%になって、1997年以来の最高を記録した」としています。イギリス中央銀行通貨政策委員会によりますと、2010年になると、イギリスの失業者が300万人に達する見込みだということです。なお、各経済指数の下落と今後の楽観できない経済情勢はポンドの趨勢に影響を与えます。経済専門家は「イギリスの経済がさらに悪化していく」とみています。
金融危機に対応し、イギリスの経済の後退を防止するために、今年、ブラウン政権は何度も巨額の資金を金融市場に投入しました。ダーリング財務相はこのほど、200億ポンドの経済刺激計画を打ち出しました。先月、中央銀行は基準利子を2%まで下げましたが、これは50年余りの最低レベルとなっています。しかし、現在から見れば、これらの措置が予想した効果をあげておらず、イギリス経済が引き続き下落しています。来月、ブラウン首相は融資を刺激し、労働者の利益を保護する新しい措置を発表します。
消費者の悲観した空気は、小売業界に影響を与えています。多くの企業が困難に直面して、支出を減らすために多くの従業員をリストラしました。お客さんを呼び集めるために、イギリスの多くのデパートと小売企業は今までの祝日後にバーゲンを行う伝統を変えて、クリスマスの2週間前から大々的にバーゲンを実施してきました。ところが、将来が不安で、一般市民は日常の支出を節約しており、クリスマスの直前に適度なショッピングに出かけています。
クリスマスによって、イギリス人は暖かさとロマンを享受して、暫く生活の苦しさを忘れていますが、経済後退の厳冬はイギリスを包み込んでいます。専門家は「イギリスの経済回復にはまだまだ時間が必要だ」と見ています。
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