世界金融危機がますます深刻化する中、アメリカや日本を含む世界の主要経済体は長年経験したことのない景気後退に直面しています。中国も例外ではありません。すでに2年余りにわたり順調に実施してきた第11次5カ年計画を成功させるために、中国政府は現在、積極的な金融危機対策を講じています。
「5カ年計画」は中国の国民経済計画の一部であり、全国の重要な建設プロジェクトや生産力の配分などに関する計画を作成し、国民経済の発展に向けた将来目標と方向性を定めています。現在、中国は第11次5カ年計画を実施しています。
国家発展改革委員会の張平向主任は24日、全国人民代表大会常務委員会で第11次5カ年計画の実施状況について説明しました。張平向主任はこの中で、「第11次5カ年計画が実施されて2年余り経ったが、中国の経済と社会は全面的な発展を遂げ、改革開放はさらに進展し、人々の生活レベルも大きく向上した。さらに、総合国力と国際的な影響力もより高まった。全体的に見れば、計画の実施状況は良好だ」と述べました。
しかし現在、世界金融危機はいまだ底が見えず、世界経済の低迷はさらに長引くと見られています。ここ数年、経済の急速かつ安定した成長を保ってきた中国も未曾有の困難に直面しています。これについて、張平向主任は、「現在、景気の下振れリスクはより深刻になっている。今後しばらくの間は、影響が続くだろう。これは第11次5カ年計画の目標実現にとって、新しい試練だと言える」と語りました。
輸出は長期にわたり、中国経済を支えてきました。しかし、今年下半期から、輸出の伸びは急落しました。張平向主任は「第11次5カ年計画をさらに順調に実施するには、世界金融危機に適切に対応することが極めて重要だ。成長の維持や内需拡大、構造調整などの措置を通じて、経済発展と国民生活の改善をうまく融合させて、国民経済の安定成長と社会の安定を保持していかなければならない」との考えを示しました。
張平向主任はさらに、「引き続き省エネや排出削減、環境保全をマクロ調整の重要な目標にしていかなければならない。また、関連する技術の開発や普及に力を入れ、河川の重点的な流域や農村部の汚染防止活動を強化すると共に、循環型経済の発展理念を奨励し、土地や草原、森林、鉱物などの資源の効率的な利用を高め、気候変動への対応力を高めなければならない」と指摘しました。
30年に及ぶ改革開放政策の実施を通じて、中国は物質、技術の両面でよい基礎を築き、総合国力も大きく向上しました。中国政府は必ず現在の困難を乗り越え、引き続き安定成長の道を歩むことができるでしょう。 (翻訳:洋 チェック:横山)
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