地震の廃墟の下から見つかった開会式の衣装
中国は多民族国家で、漢民族のほかに55の少数民族が暮らしています。そこで開会式のために、各民族が参加する青少年国歌合唱団が結成されることになりました。四川省に住む楊佳麗さんは、チャン族の代表として選ばれました。出演にあたり、きれいな民族衣装を着ることを求められたため、楊さんは、早速地元の民族衣装専門店に行き、仕立てることにしました。しかし、5月12日、四川省でマグニチュード8.0の大地震が発生し、民族衣装専門店は姿を消してしまいました。数日後、楊さんは、生き残った専門店のおかみさんと再会し、「北京五輪の開会式に参加するための衣装なんです」と、事情を伝えました。「衣装はもう出来上がっていたのよ。早く取りに来ていたら……」と悔しさをあらわにしたおかみさんは、楊さんを廃墟となった店に連れていき、楊さんと一緒に掘りつづけましたが、見つかりませんでした。数日後、援助に来た軍隊に助けを求め、深いところまで掘ったところ、たくさんの布に挟まれた楊さんの衣装を見つけるこができました。衣装には何のほころびもなく、完璧な状態でした。これはまさに奇跡といえるでしょう。(編集:GK) 1 2
|