「六月六」は、旧暦6月6日のことです。今年は7月8日にあたりますが、中国各地で、様々なお祭りが行なわれました。
二十四節気の一つ・小暑のすぐ前の「六月六」ですので、気温はかなり高く、中国の多くの地方では、この日に衣服を干す習慣があります。南の少数民族、ヤオ族の支族、紅ヤオは、この日に、「服干し祭」を迎えます。
紅ヤオは、主に広西チワン族自治区桂林市竜勝県に住んでいます。紅ヤオの女性は、ピンク色(中国語では、粉紅色という)の服をよく着ることから、「紅ヤオ」と呼ばれています。旧暦の6月6日になると、紅ヤオは、お正月に次いで二番目に大事にされている祝日、「服干し祭」を迎えます。
紅ヤオの村は、青い山々に囲まれていますが、この日になると、家々が鮮やかな民族衣装を外で干すことから、まるであっちこっちで赤い花が咲き誇っているように見えます。また、余所に嫁いだ村の娘たちは、子供を連れ、酒やアヒルなどのお土産を持って、帰ってきます。
村人たちは、空き地に集まり、歌を歌ったり、野良仕事や日常生活の様子を表す踊りを踊ったり、コマ回しなどの民間スポーツを行ったりして、にぎやかな楽しい一日を送りました。
同じく南部に暮らしている少数民族、貴州省に住むプイ族は、この日、稲の栽培を最初に始めたといわれるプイ族の祖先「盤古」を祭って、豊作を祈る儀式を行います。村の広場にみんなが集まり、祭壇に豚肉や鶏肉、魚、酒などが供えられます。トロンボーンに似た楽器の演奏の後、村人たちは、長者に従い、祝詞(のりと)を捧げます。その後、長者はみんなを率いて、田んぼの周りを歩きながら、所々に竹で作られた鳥を畦に飾ります。これによって、来年の豊作を祈ります。
この日は若者の「恋の日」でもあります。若い男女は、少し離れたところに向かい合って立ち、長い糸で繋いだ二つの竹の筒を一つずつ手にして、相手に恋歌を伝えます。
また、「六月六」に、一部のお寺では、お経の本を干す習慣があるということです。(編集:GK)
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