8月8日に行われた北京五輪の開会式は、ハイテク技術を利用して、中国文化の深さを、スケールの大きなパフォーマンスで表現したことで、世界の人々から好評を博しました。その後しばらく経ってから、開会式の裏話が次々と明らかになってきています。その中から3つをご紹介しましょう。
活版印刷を演じた若者たちにはおムツ
「One World, One Dream(中国語:同一個世界 同一個夢想)(ひとつの世界、ひとつの夢)」は、今大会のスローガンです。このスローガンを一つの漢字で表すと、「和」です。開会式の活字印刷のアトラクションで、「和」という文字が浮かび上がったその瞬間、漢字が分かる人々は心が打たれたことでしょう。
この活版印刷のアトラクションで登場した活字は合計897個。しかも一つの活字の下に、一人の出演者がいました。開会式は夜8時から始まりましたが、観客の入場時間は午後4時から。そのため出演者は、観客の入場時間の午後4時以前に、指定された位置で待機しなければなりませんでした。この活字パフォーマンスの出演者の場合は午後2時頃から待機していました。彼らは鳥の巣の地下に用意された場所に身を隠しつつ、夜9時ごろの出演を待ち、出演した後も開会式が終わるのを待っていました。開会式当日の北京は暑く、特に湿度も高かったので、地下は想像以上に蒸し暑かったそうです。しかも活字の衣装は一度身に付けたら10時間近く脱ぐことができないため、出演した若者たちは、おむつを付けていたということです。
選手入場の女の子たち、2時間以上踊り続ける
開会式で最も長く踊ったのは、選手入場式でコースに沿って立ち、笑顔で選手たちを迎えた白い衣装を着た女の子たちです。2時間以上かかった選手入場式で、最初から最後まで踊り続けました。しかも彼女たちは5センチのハイヒールを履いていたのです。その中の1人が張帆さん。「私たちの役割は、踊りで会場を盛り上げることにありました。このため、5種類ある踊りをしっかり練習して身に付け、順に披露していきました。腰には水筒も用意していましたが、これは自分が飲むものではなく、喉が渇いた選手たちのためのものでした。最後の観客がいなくなるまで踊り続けたので、足はもう自分のものではなくなったような気がしました」と、開会式の後に語っていました。
本番よりも、この練習がもっと辛かったようです。白い衣装の女の子たちは、ほとんどが北京にある大学に通う女子大生です。普段のスケジュールでも、朝6時に練習場入りし、大学に戻れるのは夜8時を過ぎていました。時には夜中の1時、2時まで練習したこともありました。練習で一番難しかったのは笑顔で、「普段の生活に戻っても、歩くときでもにこにこしていて、ちょっとおかしな気分でした」と、笑顔で言いました。
1 2
|