今年は内蒙古自治区成立60周年なので、私は国際放送局の特別報道チームに参加して、十日間にわたる内蒙古の取材に行ってきました。初めての内蒙古の旅なので、色々感動しました。
今回行ったのは、東西に広がっている内蒙古自治区の黒龍江省寄りのところです。ウランホトを中心とした地方を回りました。まず、関心を持ったのは食事のことです。
生まれてからこれまでで、羊肉と牛肉を一番多く食べた十日間を過ごしました。内蒙古の人たちの食卓には、毎日羊肉と牛肉があると言っても過言ではありません。内蒙古の羊肉の調理法はとてもユニークです。骨付きの新鮮な羊肉を味付けしないまま水で煮ます。食べる時、片手で肉を持って、片手でナイフで肉を削ぎとります。一番最初に削ぎとった肉はかならず天と地に捧げ、外に捨てます。次に削ぎ取った肉はお客さんに食べさせます。牛肉の食べ方もほぼ同じです。
羊肉と牛肉のほか、お酒も内蒙古の食卓に不可欠なものです。お酒を飲む時、まず小指をお酒に浸して、小指についたお酒を弾き落として、天に捧げます。
お酒の注ぎ方も北京と違います。北京では、お客さんが一口飲んだら、すぐいっぱいまで注いで上げますが、内蒙古ではお客さんがコップの中のお酒を飲み終わらないと、注いであげません。
今回内蒙古で取材したことは後日詳しく報告しますので、リスナーの皆さん、楽しみにしていてください。
続いて、中国の暮らしに関連するニュースと話題を取り上げましょう。今週のキーワードは「オンラインゲーム」です。
現在、中国ではオンラインゲームに夢中になっている若者が大勢います。私も、オンラインゲームが大好きですが、夢中になっているほどではありません。
オンラインゲームはまずゲームなので、実社会で体験できないことをゲームの中で実現できます。たとえば魔法使いのハリー・ポッターに変身して箒に乗って空を飛ぶこと、スペシャルフォースの兵士に変身してテロリストと戦うこと。
これらのゲームはオンラインしなくても、パソコンと対戦することもできます。しかし、本当の人間同士が操縦するキャラクターとの対戦はもっと面白いです。これはオンラインゲームの最大の魅力だと思います。
中国では、オンラインゲームのプレーヤーのほとんどは30代以下の若者で、その中には未成年者が多いです。これらの未成年者のプレーヤーはよくネットカフェーでオンラインゲームをプレーするそうです。
オンラインゲームの中で、キャラクターは様々な装備や武器を手に入れるほか、敵との戦いや、謎とパズルを解くことで、経験力・戦闘力、生命力などのレベルをアップすることができます。これらの装備や武器を獲得し、いろんなレベルをアップするにはかなりの時間がかかります。
2004年から、中国の関係部門はオンラインゲームに夢中になることを防ぐシステムの開発を始めました7月16日から、このシステムがすべてのオンラインゲームのサーバーに使われるようになりました。このシステムは、オンラインゲームのプレー時間に制限を加え、時間のリミットを超えたら自動的にゲームを中止させる仕組みです。
でも、このシステムの一番すごいところはゲームを中止させることではありません。先ほど紹介したように、プレーヤーはゲームの中で、装備や武器を手に入れ、キャラクターの経験力や生命力などのレベルをアップします。このすべてはかなりの時間がかかり、体力も必要です。このシステムは、ゲームを中止させるだけでなく、キャラクターが獲得した装備や武器をなくし、アップした経験力や生命力などをゼロに戻します。
ところが、このシステムは未成年者には利きますが、大人には利かないようです。現在、お客さんのために、キャラクターをレベルアップさせるというサービスを提供する会社があります。こういう会社の社員はお客さんの代わりにゲームをプレーし、いろんな装備や武器を手に入れ、いろんな謎を解いて、キャラクターを一番高いレベルまでアップさせてから、お客さんに返すのです。
これらのお客さんには、ゲームを遊ぶ余裕が少なく、またはキャラクターのレベルアップがめんどくさいと思っている人がほとんどです。あるプレーヤーは1万5千元も払って、会社にキャラクターをレベルアップしてもたったそうです。日本円にして、およそ22万5千円ですね。
このほど、あるオンラインゲームの会社のサーバーはウィルスに襲われて、一部のユーザーのデータをなくしました。これらのユーザーは、ゲーム会社のミスで自分の装備や武器がなくなったという理由で経済的な賠償を求め、その訴訟に勝ちました。
仮想の世界が現実の世界を越えてしまうというのは、あながち、ありえない話ではないという気にもなってきます。(編集:姜平)
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