今週は中国の大学入試の成績発表があります。その成績によって、大学が決まりますので、自分の点数がわかると、大体どの大学に進学できるのか、わかります。
今年の受験生の申し込み表を見ますと、これまで人気があった、解放軍の大学や名門大学、都会の大学、芸術専門の大学のほかにいくつかの新しいホットポイントが見られます。
まずは2008年オリンピックのおかげで、北京の大学は特に人気があります。名門じゃない大学でも志望者が多くいます。その結果、ほかの都市より高い北京の大学の入学点数はさらに高くなりました。

もう一つ人気の大学は香港やマカオの大学です。香港と大陸の大学はもともと入学試験は別々にやっていたのですが、2007年から香港の12の大学は大陸の25の省の受験生を引き受けることになりました。入学点数と学費はともに大陸の大学より高いですが、香港の大学の魅力は、国際的な教育環境を備えながらも、中国人社会なので、外国に行くより安心感があるということです。また、将来の海外留学を考えて、香港の大学はステップになるのかもしれません。
ところで、香港の大学システムは大陸と違いますので、覚悟がないとカルチャーショックを受ける可能性があります。また、卒業後の進路が明確でないことも受験生が躊躇する原因の一つになります。
今年3月、温家宝首相が全人代の政府活動報告で、教育部直属の師範大学で教育専攻の学生に対して、学費の免除を実施することを伝えたため、教育部直属の師範大学も人気があります。特に農村部や貧困家庭にとって、学費の負担無しで大学に進学できることはなによりです。ところで、師範大学でこの学費免除を受けるには、卒業後の数年間、教育の仕事に従事する契約をしなければなりません。一部の大学では、指定された地区に就職するという条件も付いています。中国は広く、地域格差も大きいですから、どうしても、農村地域や僻地の教員が足りません。そこで、優遇措置を与える分、地域に貢献してもらおうというわけです。

そして、人気のある専門と言いますと、去年に引き続き、機械デザインと製造、コンピューター関係、通信情報、マーケティング、マネージメント、建築、電気工程とオートメーション、英語、医薬、そして、経理などが人気があります。今年新たに人気が出たのは心理学と幼児教育です。
ある統計によりますと、2010年中国では、農業科学専門の人材が218万人必要となります。また、IT、自動車、環境保護、新しい材料やエネルギーの開発など工科専門の人材が1220万人、また、経理、弁護士、金融、同時通訳、デジタルメディア、物流、心理カウンセラーなどサービス業の人材も325万人必要となるのだそうです。これらの分野は将来的にと言わず、今でも人気の専門となりつつあります。(編集:東)
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