今年は中国の金融業が全面的に開放された最初の年です。香港も含めた外資系銀行が中国で一般庶民向けの人民元業務を取り扱い始め、中国国内の銀行と同じような待遇を受けるようになりました。
5月10日、HSBC・香港上海銀行が中国大陸に設立した初めての営業店、北京英藍支店が正式にオープンしました。この店に入ると、青紫色の香港上海銀行のロゴがすぐ目に入ります。店の面積はそれほど広くなく、中国系銀行の一般支店よりも小さい店でした。ホールの真ん中には一列にソファが並べてあり、雑誌棚やコーヒーバーなども揃っています。小額現金業務を取り扱う三つの窓口は木の板で隔てられており、20万元以上の業務を取り扱う場合は、少し離れた巨額現金フロントと言われる窓口で取り扱います。50万元以上の業務は完全に閉鎖された個室でやります。銀行の営業店というより、むしろ高級オフィスのような感じです。
今回の出店について、香港上海銀行北京支店の丁国良総経理は次のように語ってくれました。
「われわれは北京での登録を認められまでに、長く待ちましたよ。準備時間も長いし、ようやくオープンして、やっと一里塚にたどり着いたと言えます」
世界有名企業上位500社のうち、香港上海銀行は26位にランクされています。しかし、長い間、香港上海銀行など、多くの大手国際銀行は中国の一般庶民にとって、遠い存在でした。
1980年、香港上海銀行は北京に事務所を設立し、1995年には支店を設けました。しかし、企業や団体向けの業務しか取り扱えず、しかも100万元以上の人民元業務しか出来なかったのです。このような一連の制限を受けたくなければ、中国大陸に独立した法人機構を設立し、独立した地元の銀行にならなければなりません。香港上海銀行北京支店の丁国良総経理は、「中国の地元の銀行になりたい。その第一歩は地元で登録することです。もちろん、地元のお客さんのニーズに答えることが、われわれの目標です」と語りました。(つづく)(劉叡琳)
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