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1時間目 世界無形文化遺産めぐり・京劇
京劇は中国を代表する伝統演劇です。中国に360種以上あるという伝統的な地方劇のうち、北京地方で大成したところからこの名があり、今はペキン・オペラの名でも世界に知られています。
その京劇が2010年、ユネスコの世界無形文化遺産に指定されました。
まずは、京劇の歴史をたどってみましょう。
伝統演劇のうち、17世紀中期、明末から清の初頭にかけて、湖北省、安徽省など揚子江沿岸地域に生まれた二黄調という節回しが、やがて京劇に成長していきました。これは、湖北省、安徽省の民謡に弋陽腔とよばれる江西省一帯の曲調が結び付いたものです。湖北省の黄岡、黄陂出身の俳優たちを中心に編み出されたところから二黄調と呼ばれています。二黄調は18世紀に入って、貴族の楽しみとなり、民衆のなかでも注目され始めました。
清末の1830年ごろには、陝西地方の秦腔の流れを組む西皮という曲調と合体することによって、京劇へと飛躍を遂げ、主流となりました。このように振り返ってみると京劇の歴史はたかだか200年たらずで、中国の伝統劇としては比較的浅いのですが、後の名優たちが、改革を重ね、格調を高めてきたのです。
次は京劇の形式や演目を見てみましょう。
京劇は、歌、台詞、しぐさ、立ち回り立ち回りによって構成されており、中でも特に重視されているのは歌唱です。
もともと1枚の幕の前の正方形の舞台で上演され、道具は紅塗りの机と椅子1、2脚のみ、それを積み上げて山や岩を表したり、各種の小旗や布屏風で場面を表現したりします。伴奏音楽は、胡弓が歌のメロディを主導し、銅鑼や太鼓が見得(みえ)や立ち回りのリズムを刻みます。使用されるメロディは20曲余りですが、内容に応じてリズム、テンポの工夫が凝らされます。
衣装は明代の装束をもとにした超時代的なもので、色や模様で身分や職業が象徴されます。役柄は厳密に定められ、大きくは、生(立役)つまり主役、旦(女方)、浄(豪傑、敵(かたき)役)、末(端役)、丑(道化役)、に分かれて、浄と丑は顔に隈取をします。
代表的な古典演目には「白蛇伝」、「楊門女将」、「覇王別姫」、「貴妃酔酒」などがあります。いずれもその音楽、衣装、しぐさ、緊迫した立ち回りなどによって絢爛たる舞台を展開し、優れた叙事的な表現を生み出します。
北京、上海、天津、広州をはじめとする都市には、京劇劇団があります。皆さん、もし京劇に興味があれば、中国に来て、是非、各地域にある京劇劇団専用の劇場に足をのばしてください、素晴らしいパフォーマンスが楽しめますよ。
2時間目 安慶市の観光スポットとグルメを紹介します。
安徽省の安慶市は、京劇のルーツの一つです。この時間では、安徽省西南部にある安慶市の非常に有名な山・天柱山(黄山、九華山と並ぶ安徽省の3つの名山)と同市の揚子江北岸にある迎江寺(振風塔)を紹介します。また、現地のグルメとして、現地の代表的な料理・老母鶏泡炒米、そして有名な緑茶・天柱剣毫を紹介します。(まとめ:任春生、チェッカー:謙)
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