担当：高橋恵子、王小燕

　9月8月は旧暦の8月15日で、中国の伝統的な祝日・中秋節に当たります。この中秋節が9月初めになるのは38年ぶりで、前回は1976年の9月8日でした。ちなみに次回は2052年9月7日になるということです。さて、中国人が中秋節に必ず食べるものと言えば「月餅」ですが、その月餅をめぐる新しい動きがあります。倹約令がで高価な月餅があまり見られなくなった代わりに、「80后」「90后」の若者世代の間ではかわいい人気キャラクターの形をした月餅や、ソーシャルメディアを活用した注文方法が流行っていて話題になっています。「旬の話題」でご紹介します。

　後半の「スペシャル・バスケット」では「3・11」からまもなく3年半になります。そこで、東京から、詩と音楽で被災地の人々の心のサポートをしている詩人、作詞家のみちるさんにお話を伺います。

　みちるさんは本名がマツザキ・ヨシユキさんで、1964年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒。花の写真に感銘を受けて『福島の花』Web連載に詩を提供。著書に詩集『童女M』、『バスに乗ったら遠まわり』、エッセイ集『夢を100万回かなえる方法』(韓国でも出版) などがあります。詩のデザイン・レーベル「oblaat」(オブラート) 同人。

　この10月11日、災害で心が傷ついた人のための音楽CD『自分らしさを咲かせて』（作詞：みちる、作曲＆歌：トリ音、ギター：前原孝紀）がリリースされる予定です。詩と音楽に込められたみちるさんの思いについて取材しました。

二時間目「CRIインタビュー」（シンガーソングライター・程　璧さん）

　聞き手：王小燕、高橋恵子

　「CRIインタビュー」、初めて歌手の方をゲストにお迎えしました。大きなアコースティックギターと共にスタジオにお越しいただいたのは、東京と北京の２か所を拠点に音楽活動をしているシンガーソングライター・程璧さんです。

　両親の仕事が忙しいため、4歳から祖母に育てられた程璧さん。今は、亡き祖母と四合院で一緒に過ごした時間は、自分の原点であり、生涯の宝になっていると振り返ります。そんな程さんの祖母は民国時代の生まれ、生きていれば90歳を超えています。手先が器用で、窓に貼る切り紙（「窓花」）を自分で切り、草花や大自然が好きで、日記をよく付け、歌も良く歌って聞かせてくれていました。祖母と過ごした少女時代の思い出がその後、ファーストアルバムのタイトルトラックの「晴日共剪窓」になっています。

　高校卒業後、外国語に強い興味があった程さんは大学では日本語学科に進学。「運命の出会い」と今は微笑みながら振り返えります。その後、北京大学での大学院時代にクラシックギターに魅力を感じ、ギター倶楽部に入って作曲にもチャレンジするようになりました。

　今は文学からデザイン、そして音楽と各種様々な分野で才能を開花しています。この8月にリリースしたニューアルバム「詩遇上歌」に込めた思い、祖母の思い出、東京の堪能方法など、伺った話は盛りだくさんの内容でした。

　国境をものともせずに伸び伸びと音楽活動を楽しみながら、活躍している程さん。こんな程さんにとって、東京とはどんな町、北京とはどんな町なのか。そして、それらの町に暮らす人々にまつわる思い出は？程さんの音楽と共にお聞きください。

【プロフィール】

　程　璧（てい・へき）さん

　中国山東省生まれ。

　北京大学修士課程卒業後、株式会社日本デザインセンター・原デザイン研究所（デザイナー原研哉さんのオフィス）での勤務を経て、2014年3月に東京で音楽事務所「Anna's Patio」を立ち上げてシンガーソングライターとして活躍中。

　2012年3月　北京大学のキャンパス歌手コンクールで「ベストテン」に入る

　2012年9月　オリジナルの作詞作曲によるファーストアルバム『晴日共剪窓』（Anna's Patio）をリリース

　2013年10月　　CCTVオーディション番組「劉三姐を探して」の参加に創作した「心想唱歌就唱歌」が同番組の主題歌に採用

　2014年8月　　セカンドアルバム　『詩遇上歌』（Poerty Meets Song）をリリース

　　　　　　　（タイトルは中国の現代詩人・北島により命名、表紙写真は、日本人画家の野田弘志さんが撮影）