景徳鎮という名前は国内のみならず世界でも知られています。ここは中国の陶磁器の故郷です。製陶の歴史は1000年ほどです。英語のchinaには、二つの意味があります。一つは、中国を指し、もう一つは陶磁器を指します。Chinaという言葉は景徳鎮とどんな関係があるのでしょうか。これについて景徳鎮観光局のろ寧生局長は次のように紹介してくれました。
「景徳鎮は元は、新平鎮と呼ばれていましたが、唐の時代に昌南鎮と改名されました。宋の時代に入り、ここでつくられた陶磁器が朝廷に献上されるようになりました。当時の皇帝が、当時の年号、景徳を昌南鎮に授けたため、昌南鎮は景徳鎮と改名されたのです」
では、なぜ、Chinaという言葉が陶磁器を指すようになったのでしょうか。昔、陶磁器は西洋にも運ばれました。西洋人が「この美しい器はどこでつくられているのか?」と尋ねたところ、ある人が「昌南だよ」と答えました。この時、尋ねた西洋人には、昌南の発音がChinaと聞こえたのです。このためChinaは陶磁器を指す言葉となりました。アルファベッドで表記する場合、頭文字のCを大文字で表記した場合、これは中国という意味で、小文字のCの場合は、陶磁器のことです。
景徳鎮には陶磁器を焼きあげる窯がたくさんあり、全国から優秀な職人たちが集まってきました。清の時代に景徳鎮で作られた陶磁器は、ほとんどは民間で使用されていました。そして一部は宮廷におさめられたほか、一部は海外に輸出されました。
いろいろな種類の陶磁器が箱に詰められ、大きな舟に載せられ、昌江を出発してハ陽湖と長江を経由して海へと出ます。海を渡って、世界各地に販売されました。このように海上では、陶磁器航路が形成されました。これは陸上のシルクロードと並んで東洋と西洋の文化交流の重要な道となりました。
数百年前、西洋人はこれらの美しい陶磁器を通して、中国を知り、興味をかきたてられました。彼らは、陶磁器に描かれた中国式の庭園や、人物そして物語を模倣しそのデザインを自らの陶磁器に取り入れました。この頃、西洋では、家に中国の陶磁器を置くことは、その身分と財産を示すことでした……(担当:任春生 吉野綾子)
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