中国のXXX輸出会社はドイツの商人と麻の繊維を輸出する契約を結びました。契約に定められた品質の条項は含水量15%以下、不純物含有量3%以下となっていました。また、商品を輸出するにあたり、事前にサンプルを郵送し、実際の商品がサンプルと似ていると伝えてありました。
商品がドイツに輸送され、検査が行われました。検査の結果、ドイツ商人は、品質は契約に定められた規格基準に達しているが、品質基準がサンプルより7%低いという検査証明を提示しました。そして、それを理由に、中国の輸出会社に600ポンドの賠償を求めました。一方、中国の輸出会社はこの商品が農業品で、サンプルと完全に一致することはありえないが、サンプルより7%も劣ることはないと主張しました。しかし、中国の輸出会社はサンプルを紛失してしまったため、この主張を実証することはできません。そのため、最終的に、裁判所は中国の輸出会社に品質の価格差を賠償するよう命じました。
Q:中国の輸出会社はこの契約からどんな教訓を汲み取るべきですか。
A:この契約は規格に基づく品質基準を定めていたわけであり、本来は規格による売買契約でした。しかし、中国の輸出会社は取引が成立する前に、サンプルを相手側に郵送してしまいました。その上、契約を結んでから相手に商品と見本が似ていることを伝えていました。そのため、この取引は規格による売買でもあるとともに、サンプルを基準とした品質による売買契約でもあることになりました。したがって、ダブルスタンダードの状況となったため、ドイツの商人は最も有利な品質条件を選択することができたわけです。
商品の品質が規格によって定められる場合には、サンプルを届ける必要はありません。さらに商品の品質と見本が同じであるなどと簡単に確認してはいけません。
一方、商品の品質がサンプルによって定められる場合には、見本の副本を適切に保管すべきです。契約双方で裁判になった場合、見本の副本は、責任の所在を見分ける重要な証拠となります。(科学出版社―「国際商業貿易法律と実例」より 整理・翻訳:Ken チェック:田中)
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