葉書舟さんは、福建省の中心地・福州生まれです。去年アモイ大学を卒業し、今は北京の外国系企業に就職しています。職業訓練で、大晦日の日に帰れず、旧暦のお正月の2日に福州に帰ることにしています。福建省の料理は「閩料理」と言われ、中国の八大料理の一つとして知られており、旧暦のお正月・春節の食卓に欠かせないものです。そして、新年を迎える慣わしも地方色に富んでいます。
先祖、天、地を祭る
中国の他の都市と同じです。春節を迎えるため、故郷を離れる人々は家に戻ってきて、家族の皆が一緒に掃除をしたり、新しい春聯を貼ったり、年越しの品物を買い入れたりします。すごく賑やかです。
大体、旧暦の二十五日から、お餅を作ったり、鶏肉や、魚、お酒などいろいろな年越し食物を買っておきます。また、祖先や天、地の神様を祭ります。これを「分年」(「年を分ける」)という意味です。
年越しご飯は黄色と白色の御餅を
南の都市の福州では、大晦日に、餃子を食べる習慣がありません。その代わりに、御餅をよく食べます。 なぜというと、漢語の「御餅」の発音は「niangao」で、「年ごとにもっとよくなる、強くなる、出世する」という意味になり、縁起がいい食べ物とされています。
私達が食べるお餅は二種類あります。一つは黄色いもので、甘いです。もう一つは白く、肉とか野菜を入れて作られ、少し塩辛い御餅です。
黄色い御餅は「黄金」のイメージで、白い御餅は「銀」のイメージです。御餅を食べる習慣には「新年に、多くの富を積んで、昨年よりもっと商売繁盛になるよう」という希望が込められています。除夜の晩餐を食べてから、大人たちがマージャンをして、遊びます。子供たちが花火を上げます。すごく楽しいです。
除夜にドアを開ける
零時になりますと、ドアを開けます。そのドアを開ける人は必ず家族で一番高い声望を持つ人です。普通は父ですね。同時に、線香を立てたり、爆竹を鳴らしたりします。それは、昨年での悪い運とかを追い出して、新しい生活を迎えるためです。
田舎では、この後はもう一度祖先と神様を祭る習慣があります。一般的に、御酒や果物(例えば、蜜柑とか)、御餅、赤い紙が載せてある飯、花などを供えます。
主に、家の中の年輩者は神様を祭る儀式を主宰します。家族全員が新しい服を着て、線香を上げて、天地の神を拝みます。それから金紙を燃やします。新しい一年で万事順調で、健康で、長きすることを祈ります。それから、年寄りから幼い者まで順番で祖先を拝みます。
アヒルの卵、長寿面、魚の団子、肉燕
正月の1日の食物は非常に重んじられています。この日は新しいご飯を炊かないで、除夜の残り物や、長寿面、アヒルの卵、御餅などを食べるのです。"除夜の残り物"を食べるのは、"財産とかお金が残るように"という意味が込められ、この日では縁起のいいものとされています。
長寿面にアヒルの卵を入れて食べるの、健康、長寿そして無事になるとされています。というのは、アヒルの卵の発音はビ閩方言では、中国語の「平安」の発音と同じで、ここでは「健康、元気」として取られています。
魚の団子は福州料理の特徴です。よそのものと違って、団子は魚の肉が多い上、中には肉が餡が入っています。スープに入れて煮ると、魚の香りが濃くて、とてもおいしいです。
「肉燕」という料理はほかのところで見たことがなく、福州の独特な食べ物ではないかと思います。作り方としては、太い棒で豚肉をのり状になるまでたたきます。それから、これを餃子の皮のように伸ばしておき、そこに肉のアンを少し入れて包みます。これをスープに入れて食べます。とてもおいしいです。
年始まわり
福州では、正月の1日には年始まわりをしません。家で寝ることができます。2日から年始まわりをし、まず母のお母さんのところへ行って新年を挨拶をします。親戚のところをも尋ねます。そして、3日に友人のところへ新年の挨拶をしにいきます。
故郷で春節を迎える様子を後ほど写真をつけてお伝えしますので、どうぞお楽しみに。
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