1つの民族が文明的で成熟しているか否かは、その国の民衆全体の資質と心理状態に左右される。改革開放30年来、中国人はますます成熟し、自信をつけてきた。
8月1日、胡錦濤国家主席は外国メディア25社の共同取材に応じ、その理性的しかもユーモアを欠かさない談笑は、知らず知らずのうちに中国指導者に対する世界の人びとのイメージを変えつつある。8月3日、温家宝首相の「バスケットシュートの演出」は、世界に中国指導者のたくましい英姿の一面を見せつけた。
30年の改革開放は、国民の愛国の熱い気持の表現方法を変えさせ、美しい脱皮を図るよう手を貸した。「李寧、どうしたの?」から「杜麗、泣かないで」まで、中国は競技スポーツで急速に前進すると同時に、民衆の心理や視野にも極めて大きな変化が生じている。
8日の初の試合で、杜麗選手は金を射止めず顔を覆って泣き崩れた。中継を見ていたネット利用者は次々と彼女を激励。「杜麗、悲しまないで。涙を拭って。私たちはずっと貴方を支持する」。だが20年前、ソウル大会で敗北した李寧選手が帰国した時、彼を迎えたのは、逆に非難する投書だった。
北京大会で、「海外兵団」は再び国内の民衆が関心を寄せ論議するホットな存在となった。だが、民衆の意識はすでに開放的かつ包容あるものに変わっていた。11日、郎平監督率いる米国チームが3対2で中国人が厚い期待を寄せる中国チームに勝利したが、郎平コーチは依然として中国人の熱烈な拍手と喝采を浴びた。14年前、広島でのアジア大会で元中国卓球選手だった何智麗選手は日本チームを代表して出場し、鄧亜萍選手を打ち負かして優勝すると、多くの中国人から「国賊」とか「売国奴」とか激しく非難された。
18日、陸上男子110メートル障害で意外な一幕があった。中国の劉翔選手がケガで棄権。多くの中国の観客が切歯扼腕したが、大半の人は理解を示すとともに、携帯のショートメッセージやネット上の書き込みで劉翔選手を慰めた。
こうした選手への理解や支持、信頼、遺憾なものに寛容に接する心理状態こそ、1つの大国の国民としての風格と言えるだろう。
「チャイナネット」 より
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