パラリンピック大会は、北京の17ヶ所の競技場と、馬術会場となる香港、セーリングの会場となる青島で行われます。その内、国家体育場(鳥の巣)では、160個の金メダルが決まり、最も注目される会場といっても間違いないでしょう。
オリンピック終了後の短い期間を利用して、組織側は、様々な改造を急いできました。障害者でも簡単に利用できるエレベーターとトイレの設置、長さ550mの目の不自由な選手の専用レーンが新しく敷設されたほか、義手・義足と車椅子の修理所も設けられました。また、表彰台の後ろにも緩やかなスロープがつけられました。
車椅子バスケットボールの会場となる国家体育館では、試合場、練習場、控え室でバリアフリー施設が設置されたほか、コートの両面にはスロープの付いた高台が作られました。この役割について体育館運営部の徐少清副事務局長は、「この2面の高台は、観戦する選手たちのために臨時的に作った。車椅子に乗る選手の観戦しやすくするためだ。まぢかに試合が見られる、最もいい座席だと言える」と語りました。
水泳の会場となる国家水泳センター(水立方)では、プールは地下にあります。プールまで移動するには、10台のエレベーターが使われますが、選手の移動のピークに備えて、車椅子用の全長136mのスロープを作りました。スロープは5ヶ所の折り返しの地点があります。国際的な標準では、高さと斜面の長さの比例は1対10です。つまり、1mの高さがあれば、10mの長さの斜面を作らなければならないのです。しかし、国家水泳センターでは、1mの高さに対して、20mの斜面が作られました。
これらの設備は、選手たちから大変好評です。パラリンピックの車椅子バスケットボールの試合に3度出場したことがあるロシアのウィクト選手は、会場について、「競技場に2度いってきた。素晴しく、便利だ。これまで出場したパラリンピックの中で、最も印象深い体育館だ。ここで試合ができるなんてラッキーだと思う」と語りました。
競技場のほか、選手や役員が宿泊する選手村も準備が整っています。パラリンピックの期間中、国内外の合わせて7000人がここを利用する見込みです。
パラリンピックの選手村は、オリンピック選手村に基づき改装を加えてできたものです。宿舎は42棟のアパートからなり、利便性を考え、1階から3階までしか使用されていません。エレベーターの操作盤に点字が付いている上、中国語と英語のアナウンスが流されます。部屋の中のとってや電灯のスイッチは、低めに設置されています。バスルームにはベンチが置いてあるほか、シャワーも高さが2種類あります。行き届いた造りにスロベニアのフレレ選手は、「選手村のサービスはすばらしい。いつでも、どこでもパーフェクトだ。五つ星ほどのサービスを受けている。ここに来なければ、この素晴らしさは想像がつかない」と語りました。
食堂には、700平方メートの車椅子専用エリアが設けられています。通路も広げられ、食事の置き場所が低めにしてあります。食堂は、24時間運営します。
また、選手村では、義手義足の修理所が設けられ、19ヶ国150人の専門技師がサービスに当たります。しかも、サービスはすべて無料です。選手村の中の郵便局、コンビニ、記念品売り場すべてに、バリアーフリー施設が設置されています。このため、選手たちは、快適に選手村を歩くことができます。
選手村の広場では、世界各地の芸術団が、パフォーマンスを披露してくれます。競技以外で、ここでリラックスして、友好を深めることができます。サービスに当たるボランティアは、外国語、心理ケア、手話など特別な訓練を受けており、これにより、スムーズにサービスを提供することができます。
リトアニアのクラソノワ陸上選手は、選手村について、「快適で、とても便利だ。選手のニーズを十分に考慮してくれた。これまで参加したパラリンピックのうちで、最も素晴らしい選手村だ」と語りました。
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