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<田邊 潤>パラリンピック・テニス「中国!加油!応援団」に大人の対応
   2008-09-16 11:19:39    cri

      

 運よくチケットがもらえ、車椅子テニスを観戦に行きました。車椅子テニスのルールはコートの広さや得点方法は通常のテニスと一緒ですが、2バウンドしたボールまで打ち返せるというところだけが違います。テニス会場はスタンド付きで試合のできるコートが10面ほどあり、男女のシングルスやダブルスが、各コートに分かれて行われていました。私が最初に向かったのは一番大きくて屋根のあるセンターコートで、ちょうど女子シングルスでアメリカ対ベルギーの選手の勝負でした。

 アメリカの選手はベテランで落ち着きがあり、淡々とプレーをしていましたが、ベルギーの選手は若くてとても逞しく、気迫を表に出してパワフルにボールを打っていました。車椅子テニス専用の車椅子は前後にも小さなキャスターがあり、相当大きな力でラケットを振り回しても、倒れないような設計でしたが、ベルギーの選手はその中でも車椅子から飛び出るくらいにパワフルなスイングをしていました。

 試合は第一セットをベルギーの選手が簡単に取りましたが、次のセットはアメリカの選手が作戦を変えてきたようで、セットを奪い返し、フルセットに入りました。最終セットに入るとベルギーの選手がミスするたびに、自分のプレーに納得がいかないようで少し落ち着きがなくなってきました。すると、アメリカの選手が軽い返球で相手を翻弄するようなプレーを見せはじめ、完全にペースをつかみ、勝利しました。傍目から見ると、ベルギーの選手の方が実力はあるように思えましたが、ベテランの落ち着いたプレーの前に新鋭が倒れるという形になりました。この二人の勝負はとてもレベルの高い心理戦のように思えました。

    

 外のコートに出ると、ちょうど日本選手のダブルスの試合をやっていて応援することができました。

 藤本選手と池の谷選手のペアが、ブラジルペアを2対1で下し、勝ち進みましたが、間近に見る二人のプレーは迫力があり、普通に私が対戦しても勝ち目はないと思いました。応援団とコーチの皆さんの笑顔が印象的でした。

 センターコートに戻ると、男子ダブルス、アメリカ対地元中国でした。スタンドにはおなじみになった「中国、加油。応援団」がそろいの黄色いシャツに身を包み「中国!加油!!」の掛け声を飛ばし入場を待ちました。すると大歓声の中入場してきたアメリカの選手が中国の旗を振り、ボールをスタンドに2つ3つ打ち込みました。そのパフォーマンスにスタンドはさらに盛り上がりました。私はアメリカの選手の「中国!加油!応援団」に対するパフォーマンスをとても大人の対応だと感じました。彼らは過去の2回のパラリンピックでメダルを取っているベテランで、対する中国ペアは初出場ですが若く、相当練習を積んで来ている強豪です。アメリカペアは地元の応援がすごいことは十分解っています。そんな雰囲気の中でのこのパフォーマンスは、地元中国への応援を嫌がるのではなく、彼らの応援も自分達への見方にもしようというプラス思考の余裕が感じられ、「皆さんありがとう」「この試合を一緒に楽しもうじゃありませんか。」という強いメッセージを感じました。

      

 試合はこれも白熱した勝負になり、フルセットにもつれ込みましたが、最後はアメリカペアの老練な技が光り、中国ペアを下しました。試合後アメリカペアは再びボールをスタンドに打ち込み歓声に答え、中国ペアも持っていたタオルをスタンドに投げ入れ、観衆も大喜び。センターコートは盛り上がりのうちにこの日の日程を終了しました。

 【プロフィール】

 1957年生まれ         早稲田大学教育学部卒 筑波大学体育研究科大学院修士課程修了
                    専門スポーツは陸上競技
                    早稲田大学本庄高等学院 教諭 
                    早稲田大学スポーツ科学部講師
 2008年4月ー2009年3月  早稲田大学から北京大学への交換研究員

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