アメリカのニクソン大統領特使を務めたキッシンジャー氏は1971年、初めて中国の土を踏み、中国の指導者とともに、両国対話の扉を開けました。37年来、幾たびも中国を訪問したキッシンジャー氏は、中国人民の古い友達となり、改革開放政策が実施されたこの30年間、中国が収めた大きな成果を見守ってきました。
中国人民外交学会の招きに応じて、キッシンジャー博士は8月、北京オリンピックを観戦するために再び中国を訪れました。9日、中国国際放送局記者のインタビューに応じ、「オリンピックが北京で開催されることは、中国にとって貴重なチャンスだ。北京オリンピックの準備活動は歴代オリンピックの中でもっともすばらしい」と評価し、次のように語りました。
「北京は開催地としてすばらしいオリンピックをとし遂げました。北京オリンピックほどよく組織され、多くの人から支持されたオリンピックはなかったでしょう。これは、中国が世界で重要な位置を占め、国際社会の一員となったことを象徴しています。」
また、8月8日夜のオリンピック開会式は、キッシンジャー博士に深い印象を残しました。
「開会式はとてもすばらしい、感動的なものでした。全世界に中国人の自信と世界へ貢献できることを示し、歴史と未来をつないだ試みだと思います。」
中国が改革開放政策を実施して、この30年来の変化に触れた際、キッシンジャー博士は、37年前に、中国でオリンピックが開催されることを想像できなかったと述べました。そのときの北京は、「自転車の都」と呼ばれ、日用品が不足し、科学技術もかなり立ち遅れていました。ニクソン元大統領が中国を訪問した際、アメリカ代表団は自ら大量の通信設備を持ち込まざるを得なかったのです。37年が経ち、中国に起こったきわめて大きな変化に対して、キッシンジャー博士は感無量です。
「今の中国は、進んだ技術を持った新しいタイプの国家です。こういった成果は、中国指導者が打ち出した構想に基づいて、中国人民が一生懸命働いて実現したものです。毛沢東主席から今の胡錦涛主席まで、私は中国歴代の指導者を知っています。中国社会でおきた変化は中国の都市部の建物の変化と同じように際立っています。」
ところで、中米関係に触れた際、キッシンジャー博士は、「中国は5000年あまりの長い歴史を持ち、20を超える王朝があった。一方、アメリカはわずか200年の歴史しかなく、中国のほとんどの王朝よりも時間は短い。このため、双方はものの見方がたいぶ違うものだ」と語り、さらに、「アメリカは自らの価値観を持つと同時に、他国の歴史と価値観も尊重する。他国の内政に対して干渉してはいけない。互いの価値観を一致させることは、長い時間がかかり、一度にできるものではないということを、アメリカは認識すべきだ」と述べた上で、現在のアメリカ政府が中国と「交渉を継続」するという政策に賛成の意を示し、これは唯一長期的にできる対中外交政策だと見ています。キッシンジャー博士は、また、「中米双方は両国関係を処理する上で、未来に目を向け、話し合いと協力を堅持すべきだと、次のように語っています。
「両国の異なった文化の間に橋をかけ、交流を深めてもらいたいです。現在、世界中の多くの問題は米中両国の協力がなければ解決できないという点を銘記すべきだと思います。」
2009年は、中米の国交回復30周年を迎えます。両国関係の今後の発展について、キッシンジャー博士は、中米関係の発展の見通しを楽観視している姿勢を示しました。
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