ウォーター・バレエとも呼ばれるシンクロナイズドスイミングは、これまで中国では決してメジャーではありませんでしたが、中国代表の選手たちは長年の努力を積み重ねてきました。
2006年のドーハ・アジア大会で、中国は世界の強豪の一つである日本を破り、金メダル2個を獲得しました。ドーハ大会の後、日本シンクロの基礎を築き、黄金時代を作って「シンクロの母」とも呼ばれる井村雅代氏が中国代表のヘッドコーチに就任しました。そして、1年半余りを経て、中国シンクロは急成長を遂げ、好成績を残しています。去年、メルボルンで行われた世界選手権では、チームとデュエットのいずれも、歴史的な4位に入りました。これを励みに、北京五輪では、初の表彰台を目標にトレーニングを続けています。
ドーハ・アジア大会で、日本の原田早穂・鈴木絵美子を破ったデュエットの蒋文文・蒋テイテイは、四川省出身の双子姉妹です。小さい時からダンスが好きだった2人は、9歳からシンクロを始めました。現在、井村ヘッドコーチの指導の下で、2人の動きは磨きがかかり、チームワークもさらによくなってきました。
今年4月に北京で行われた五輪予選で、蒋文文・蒋テイテイは再び日本の原田早穂・鈴木絵美子を破り、銀メダルを獲得しました。それについて、蒋文文は「これで自信がついた。今私たちがやるべきことは、井村コーチの指導の下で表現力と技の難度に磨きをかけること」と語っています。そのため、蒋文文・蒋テイテイは毎日9、10時間の練習をしているそうです。
彼女たちを指導する井村雅代コーチは、中国代表のレベルアップに大きな役割を果たしています。北京五輪の目標について、井村さんは「去年の世界選手権(4位)の上をいきたい」とデュエットとチームでのメダル獲得を目標に掲げました。そして北京五輪で、中国と日本のどちらがメダルを取る可能性が高いか、という記者の質問に対して、井村さんは「日本と争うことは考えたことがない。目標は中国代表のレベルを向上させることだけ。世界一は一つしかない。私たちがどこまでいけるか・・・ただそれだけ」と答えました。
現在、中国代表の選手たちは、演技のスタイルや技、スピード感などで、大きな進歩を遂げました。しかし、ロシアやスペインなど、世界の強豪国と比べて、まだまだ差があります。北京五輪までに、彼女たちはどれだけこの差を縮められるのかが注目です。現在、中国代表は最終的な演技の調整を行っています。井村さんはそれについて「内容はもちろん秘密。でも、中国らしいパフォーマンスを見てもらいたい。私は、外国人の立場から見た面白く、魅力のあるものを伝え、中国人コーチらとともに作り上げていく」と語りました。
北京五輪のシンクロナイズドスイミングは8月9日から24日にかけて国家水泳センター(愛称:水立方)で行われます。(翻訳:katsu)
|