柔道は、1980年代の初めから、徐々に中国で発展してきました。20年余りの努力を通じて、中国の柔道は著しい成果を収めています。特に、女子代表は世界の強豪に挑む実力を持つようになってきました。
今回の北京五輪では、女子の52キロ級、78キロ級と78キロ超級でメダルを取る力があると見られています。
52キロ級の(ン先)東妹、時俊傑、李営は、いずれも金メダルの有望株です。アテネ五輪の金メダリストの(ン先)東妹は、2005年に引退して、広州柔道チームのコーチとなりました。しかし、2007年、女児を産んで5ヵ月後、カムバックすることにしました。「自分に挑戦したい。中国では、アスリートが出産した後、再び競技場に立つことはほとんどない。中国の選手は、子供を生んでからも、試合に出場し、優勝できることを証明したい」・・・復帰後の2007年は、全国選手権大会、世界選手権団体戦、フランス国際柔道大会など国内外の大会で金メダルを獲得しました。今年33歳の(ン先)東妹は、現在52キロ級の国内ランキングのトップに立ち、五輪出場を目指して、調整を続けています。また遼寧省の李営は2006年の世界選手権のチャンピオンで、今年のドイツ国際柔道大会の覇者でもあります。そして時俊傑は去年の世界選手権のチャンピオンです。この3人のうち、いったい誰が北京五輪の出場権を獲得できるのか、非常に楽しみです。
52キロ級と同じように女子78キロ超級でも、3人の有力選手が五輪のチャンピオン候補となっています。トウ文は2005年カイロ世界選手権、2006年全国選手権、2007年バンコクユニバーシアード、2007年ブラジル世界選手権のチャンピオンです。そして、2008年に入ってから、トウ文は常によいコンディションを保っており、フランス柔道大会、ワールドカップのハンガリー大会と全国選手権の金メダルを獲得しました。日本の塚田真希選手が最強のライバルと見られていますが、国際大会ではトウ文はこれまで5回連続して塚田選手を破っています。心理的には、かなり優位にたって対戦できるというわけです。このほど行われた全国選手権大会の会場には、トウ文の試合を撮影する日本人のスタッフがありました。トウ文を最大のライバルとして注目していることがわかります。トウ文のほか、シドニー五輪の金メダリストの袁華と2007年ドーハアジア大会のチャンピオンの劉歓縁も金メダルを狙っています。
女子78キロ級の楊秀麗と劉霞も金メダル候補です。ライバルは日本の中沢さえ選手とキューバのユリセル・ラボルデ選手ですが、このほど、ラボルデ選手は米国へ政治亡命したことで、北京五輪出場はほぼ不可能となりました。
女子に比べて、男子の競技レベルはまだまだ遅れています。これまでの国際大会では、ほとんど目立った成績を残していません。北京五輪での男子は「これまでの成績を超えること」を目標に戦います。
北京五輪の柔道は、8月9日から15日かけて北京科学大学体育館で行われます。
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