中国体育総局の体操館の入り口には、壁一面に中国国内17社のメディアの批判記事が張ってあります。アテネ五輪で、金メダル最有力といわれていた中国体操代表は金1個、銅2個の成績に終わり、多くの批判を浴びました。その新聞記事を毎日目にしながら、国家代表の選手たちは4年、ここで厳しい練習に耐えてきました。
現在、国家代表の最終メンバーについてはまだ発表されていませんが、重点メンバーとされる男女合わせて24人の選手のリストには、楊威、李小鵬、肖欽、滕海濱、程菲、張ナンなどが入っています。
中でも注目されているのは、ケガから復帰したばかりの李小鵬選手です。2000年のシドニー五輪で男子平行棒と団体の金メダル2個を獲得した李小鵬選手は、跳馬と平行棒で非常に難度の高い技を繰り出します。「天才」選手というメディアからの評価に対して、李小鵬は「僕は体操に対して、まじめにやってきただけ。別に特別な才能などない」と述べ、アテネの失敗をバネに、努力を重ねてきた4年を振り返りました。
また世界選手権の個人総合で優勝した楊威も、五輪での金メダル獲得のために闘志を燃やしています。28歳の楊威にとって、北京五輪は最後のチャンス。アスリートとしての一生の夢を実現すべく、意気込んでいます。
また黄旭や肖欽、李一氷といった若手選手も男子代表のホープです。ただ日本やアメリカなどの強豪を相手に、金メダルを取ることは容易ではないでしょう。
一方、女子は何と言ってもエースの程菲。跳馬とゆかで、金メダル獲得に十分な実力を持っています。また、このほど行われた最後の五輪選考試合である全国体操選手権では何可欣、楊伊琳などの新人選手が期待以上の力を発揮し、体操ファンを喜ばせました。誰が五輪出場メンバーに選ばれるかは有力選手も含めて、まだまだ予断を許さないところです。メンバーの発表は7月です。
北京五輪の体操競技は8月9日から24日にかけて、国家体育館で、また新体操は北京工業大学体育館で行われます。
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